2022.06.02

【靏岡征人取締役に聞く】通販支援ビジネスで売上高1000億円を目指すSBSグループの物流サービスとは?

SBSロジコム 靏岡征人取締役


SBSグループが通販の物流支援強化に乗り出す。首都圏で専用の物流センターを開設し、EC物流支援を強化。将来的には顧客宅への商品配送も手掛け、2030年をめどに売上高1000億円の規模を計画している。EC物流を強化する狙いや、具体策をSBSロジコムの靏岡征人取締役に聞いた。



「BtoCはできないとは言えない」


――SBSグループは、BtoBの物流が中心というイメージでした。グループ企業がアマゾンの配送やモノタロウ、大塚商会の倉庫内業務を請け負っていますが、独自にEC物流を強化しようと判断したのは、どうような理由からですか?

EC物流は強化するが、既存のBtoB物流を弱める気持ちは全くない。ただ、BtoBのお客さまとやり取りしている中で、ほとんどのお客さまが、「BtoCに切り替えていく時代だ」と口をそろえている。当社と取引しているお客さまに対し、「BtoCはできません」と言うわけにはいかないし、そこは商圏が広がっていくだろうというのが理由の1つ。もう1つは現在の流れの中で、店舗ビジネスからECビジネスに切り替わっていくのは、誰でも想像できることだ。今後ますます、今の商流が変わっていく。当然、そこに勝機があるので、今のうちからECへの対応を準備しておかないと、業界から置いていかれるという思いがあった。

――EC物流の強化を打ち出したのは、いつごろからですか?

弊社の鎌田は2030年に通販ビジネスで売上高1000億円という目標を掲げているが、これは突然言い出したことではなく、2、3年前から「そういう時代になる」と話していた。ただ、通販物流の配送網を整えて、ヤマトさんや佐川さんに対抗するという思いはない。配送ではヤマトさん、佐川さん、日本郵便の三者独占みたいになっているが、今後の通販市場の商圏拡大を考えたとき、3者に対して攻めていかなくても、さまざまな物流業務が出てくると見ている。

――SBSグループで車両を用意して、自社配送まで見据えているんですか?

もちろんだ。ただSBSグループにとっても、ヤマトさんや佐川さんは、なくてはならないパートナーだと思っている。ヤマトさんや佐川さんの品質やサービスを借りながら、それ以上に物量が増えた荷物は、SBSグループで対応するのが1つのモデルになっていくのではないか。

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