2022.06.02

【靏岡征人取締役に聞く】通販支援ビジネスで売上高1000億円を目指すSBSグループの物流サービスとは?

SBSロジコム 靏岡征人取締役


認知度を高めて実績を作っていく


――SBSグループとしてEC物流に対応していくとなると、その中心的な役割はSBSロジコムが担っていくことになりますか?

中心というよりも、EC物流への対応をシステム、物流施設、営業とに分けたときに、各々のポジションのところにすべて入るようにしている。通販物流で1000億円を目指しているグループ全体の役割の中では、グループで対応するためのプラットフォーム作りに取り組んでいる。われわれがEC物流でターゲットにしようと想定しているのは、中小企業の中でこれから通販を始めるだとか、通販をやっているが業容を拡大したいとか物量を増やしたいとか、そのような会社さんと取引したいと考えている。中小のお客さまと、われわれが一緒に成長できるようなサービスを提供できる仕組みを作りかけている。

通販物流を強化しようとしても、通販物流に関するSBSグループの認知度はまだ低い。なかなか実績が伴っていないので、そのあたりの実績を作っていきたい。SBSロジコムの年商は約680億円だが、そのうち通販関連で約70億円はやっている。それはBtoBのお客さまで、通販もできるよねというレベル感の仕事でしかない。それぞれバラバラのシステムを使っているので、あらためてSBSグループで1つの共通したシステムを作り上げ、同じプラットフォームの中にいろんなお客さまを入れていこうと考えている。ロジコムとしては今後3~4年のうちに、通販関連で300億円ぐらいの売り上げ規模に持っていく準備をしている。

――EC物流本格展開への準備として、いつ、何から着手していきますか?

2年先を見据えて営業が動き始めたところだ。拠点としては2024年1月、千葉・野田に約4万5000坪の倉庫を開設する予定だ。すでに一部クラアインは決まっているが、このうち約2万坪は通販専用センターとして使用する計画だ。社内ではEC物流向けのプラットフォームを定義しており、この名称が「フルフィルメント バイ SBS(FBS)」となっている。システムやサービスラインアップを標準化させ、まずロジコムがそれを立ち上げて、それがうまくいけばグループで横展開していく。

――それはSBSロジコムが作ったプラットフォームに、EC荷主に乗ってもらうようなイメージですか?

そうだ。EC事業者さまの商材に合わせた取り組みには対応していくが、オペレーションは標準化する。


価格競争力を強みに、コストを抑えて対応する


――物流業界ではEC市場の拡大に向け、大手のヤマトや佐川以外にも、中堅の3PL事業者がEC物流支援を積極化しています。SBSグループとしては、どの部分で特徴を出していこうと考えていますか?

どこかで特徴を出すというよりは、全方位で何が来ても受けられるような形にしていこうと思っている。その中で一番になるのが価格競争力だ。ロジコムの特徴として、倉庫は自社開発しているので、賃貸倉庫と比べるとコストを抑えて対応できる。システムも自前で持つので、そこも安く提供できるだろう。さまざまな業界のオペレーションに対応することで、生産性や効率化も上げられる。そのためにロボットの導入なども考えており、安いオペレーションで対応できる。SBSグループで対応するとなると、小さな荷物から家電のような大きな荷物、食品などにも対応できる。ECで取り扱っている商材には全部対応できるようになる。

――EC物流を本格展開していくにあたって、抱負をお願いします。

ロジコムもそうだし、SBSグループも順調に成長してきた。さらに今後成長する中で、新しい営業ツールとして、通販・ECに目線を置いた。SBSグループ全体の数値目標としては、早期に年商6000億円に持っていく計画だ。その中でロジコムとしては、1400億~1500億円に成長させていく。そのために、新しい機能を備えて、何が来ても対応できるように、BtoBのお客さまからBtoCに移るのではなくて、BtoCのお客さまからBtoBの業務も請け負っていきたい。



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