2023.02.22

新時代のD2C・ECプランニングとは?【KASCADE 西部執行役員×Innovation & Communication 吉村代表】


インハウスを強化するメリットとパートナーの活用方法とは?


――成長している事業者はどう対応していますか?

西部:スタートアップであれば、人的資源は少ないはずですのでそれを効果的に稼働することになりますので、徹底的に鉄板施策を実施することです。

既存ビジネスを有している企業の新規事業であれば、人的には問題なくても、ノウハウがないことが想定されますので、知らないこと、経験したことのないことをパートナーの視点と目的と方法のアドバイスを受けて、実行して最適化のプロセスを、スピーディに習熟することです。

言い換えれば、「好き」になって貰える=ブランドと定義すると、マニュアル的なものはやるべきことでどの事業者でもスタッフでも出来ることです。それに、各社の「暗黙知」を取り込んで拡張することで顧客を知ったオリジナリティが生れてきます。それが顧客との関係性での強みになっていくと考えています。

既存のビジネスモデル・組織文化を踏襲して、〇月のデータ・レポート作成に2週間、会議1回目で報告、会議2回目で施策案、会議3回目で施策決定、実施は〇月+2カ月後では上手くは成長しないことはよくあることです。

そして、多くなっているのが、従来型の「通販」モデルを実施されている企業が、デジタル領域での事業成長をされたいのでCRM施策の再設計を進めています。

吉村:自分を振り返ってみても、自分が経験したことを人に伝える、表現できる言語化する能力ってそんなにはありません。そのためにデータとコミュニケーションで、どのように反応するかで「顧客のニーズ」を知って、購入者に影響を与える方法として、問いかけたり、共感したりするポイントをセグメント別のクラスターそして個人に充てていくことがパーソナライズです。

であるからこそ、UGCなどを利用してコミュニケーションと顧客を安心させる教育をする過程からデータを得る、そこからインサイトを得て、マーケティングやCRMに展開しているブランドが成長しています。その先には、商品開発や改善などもあるとは思います。これは、パートナー任せにすることなくインハウスでするべきでことです。


顧客に響くコミュニケーション設計を強化するメリットと方法とは?


――事業者は「何」を「どうすべきか」?

西部:当面は、新規での顧客を増やすための環境はより厳しくなることは理解出来ます。であれば、顧客育成フローを設計・改善し続けることがキャッシュフロー的にもベターな選択になります。データが活用できれば、今の商品ではベネフィットを提供できなかったことに対して新商品などでより良い顧客として「好き」になっていただけることもできます。

私がお伝えしているのは、商品コンセプト×ターゲット×CRM=お客様に響くコミュニケーション設計=CX:カスタマーエクスペリエンスという方程式です。5つの要素・セグメント×チャネル×コンテンツ×オファー×タイミングの最適化についてスピード感を持って実施していく体制とスタッフ育成を進めていくことです。



吉村:マーケティングは、顧客をだますことではありません。「商い=あきない」はコミュニケーションが基本ですし、2023年以降はより商品数、ブランド、企業数は増えるでしょうし、一方で全体の消費者数は減るとともに、本来的に多様で、差異があるのが人ですから、各カテゴリーやコミュニケーションチャネルごとの消費者数の母数も少なくなります。

従来の「ブランドに寄せて集める」から「顧客に近づいていく」ことが、D2C事業モデルです。そこに、日本型のコミュニケーションを展開する必要があるので、パートナーの視座をうまく取り込み、修正アップグレードすることです。これは、自分本位にならないことと、価値と目的を共有、共感できるD2C事業者同士のつながりを持てることで不安と孤独に陥ることがなくなるという重要なメリットがあります。



<プロフィール>


KASCADE 執行役員 西部好範氏

2008年、テレビ朝日リビング(現ロッピングライフ)に入社。リサーチ、商品分析・顧客分析、システム、フルフィルメントを担当。データベースマーケティングの部署を立ち上げ、リテンションの仕組みを構築しその領域で売上10億円を達成。2020年、株式会社ライフェックスに取締役でジョイン、CRM領域の責任者として、スタートアップから大手のクライアント様を約60社ほど支援。2022年7月、MOLTSに入社。グループ会社のKASCADEの執行役員に就任。

▶KASCADEへの問い合わせはこちらへ(MOLTSの問い合わせフォーム)



Innovation & Communication 代表 吉村典也氏

製造業向けコンサルティング会社や外資系システム会社などを経て、コンサルタントとして独立。通販・Eコマース事業、CRM、フルフィルメントをWF設計・運用までを顧客視点・スタッフ視点で支援している。やずやグループが開発した「通販基幹CRMシステム」の外販導入サポート業務で出会った事業者の課題を通じて、日本のコマースビジネスには成長の可能性、未知のカテゴリーがあると確信。1社でも多くの企業の事業をグロースさせるためのアドバイスやサポートを実施している。

▶吉村氏が顧問を務める富士ロジテックホールディングスのサイトはこちら






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