コンプライアンス徹底、高い導入効果を実感
――投稿を促進する際に課題となった点はありますか?青木:化粧品の情報を発信する際は、薬機法や景品表示法を遵守しなければなりません。対面の接客が得意なスタッフでも、画像やテキストでの発信に不慣れな場合があります。投稿のコツを共有したり、コンプライアンスのチェック体制も設けるようにしました。
稲葉:当社は上場企業ということもあり、もともとコンプライアンスに厳しく取り組んでいます。薬機法や景表法に抵触しないように、投稿スタッフに基礎知識を学んでもらいます。さらに投稿を公開する前にチェックを行い、修正を加えた場合も、その内容を投稿者にフィードバックすることで、次回以降の投稿コンテンツ作成の参考にしてもらっています。
▲マーケティング戦略課 稲葉理子マネージャー――スタッフコンテンツ導入の成果は?青木:スタッフコンテンツを閲覧したお客さまと閲覧していないお客さまの購入単価は大きく異なっています。閲覧したお客さまは、閲覧していないお客さまと比較して、購入単価が20%以上向上しています。
閲覧したお客さまのセッション時間も、サイト全体と比べて約4倍長いという結果が出ています。投稿を丁寧にご覧になっていただいており、サイト回遊や滞在時間の向上に役立っています。
公式アンバサダー導入、UGCを活発化
――SNSやUGCはどのように活用していますか?青木:SNSに注力しており、当社製品に関する投稿を促すキャンペーンは3カ月間に1回程度は実施しています。少しずつですが投稿数は増えてきました。
インスタグラムなどでは、会員さまのフォロワーがたくさんいます。サロンを通して会員さまにキャンペーンをお伝えしたり、SNSに関するフライヤーを渡したりすることで、投稿を促進しています。
SNSの投稿を活性化するとともに、そのリアルな声をECサイトに活用するUGC施策にも取り組んでいます。
▲アンバサダーやユーザーのインスタグラム投稿をECサイトでも紹介稲葉:シーボン.公式アンバサダーは、プロのインスタグラマーに依頼するのではなく、実際に製品を愛用している会員さまにリアルな声を投稿いただくことで、ブランドの魅力を効果的に発信できると考えてスタートしました。
公式アンバサダーは今年1月から開始し、現在は10人ほどの方が活動しています。フェイシャリストからの推薦やSNSでの取り組みを確認し、選定させていただきました。開始から半年ほどで、さまざまな分野で活躍されている方に公式アンバサダーとして加わっていただいています。
公式アンバサダーの投稿は、掲載前にコンプライアンスのチェックを行っています。そのため、投稿を修正することなくUGCとして、自社メディアでも活用できる点も魅力です。
インスタグラムでは、公式アカウントだけではなく、エリアごとのサロンのアカウントも開設しています。「シーボン.ファクトリー」という生産工場のアカウントもあり、生産過程を動画で投稿したり、品質に対するこだわりを説明したりしています。
動画やスタッフ投稿のさらなる拡充目指す
――動画も活用していますね。青木:動画はまだまだ本数が少なく、これからさらに注力したいと考えています。現在はサロンでお見せしている動画を活用したり、インスタライブの動画を流用したりしています。
――今後、注力する取り組みは?青木:まだまだデジタルマーケティングの拡充やEC強化のために、やらないといけないことがたくさんあります。
コンテンツを投稿するフェイシャリストも全国のサロンに広げていきたいと考えています。
現在のWeb市場ではECの新規獲得単価が高騰しており、コストが見合わない状況になっています。そのため、新規とともに既存顧客のCRMを強化し、LTV向上を図る施策により注力していきたいと思います。
※「フェイシャリスト」「ビューティログアドバイスナビゲーター」は株式会社シーボンの登録商標
【「株式会社シーボン」企業データ】設立:1966年1月
事業内容:化粧品及び医薬部外品並びに美容器具等の製造販売及び輸出入事業
サービスの強み:顧客の肌に最後まで責任を持つという考えのもと、サロンでのアフターケアを提供する独自のビジネスモデルを構築
直営店数:フェイシャリストサロン、シーボンクイーンズ横浜など97店舗
【ECデータ】ECサイト名:
「C’BONオンラインショップ」マーケティングツール:アンバサダーやスタッフが投稿できる専用ツール
「visumo snap」、インスタグラムやTwitterなどSNS上のUGCや公式投稿、アンバサダー投稿などを活用する
「visumo social」