2022.04.05

【コロナ禍にデジタル化推進】サッカーファンに生涯寄り添う「サッカーショップKAMO」のOMO戦略とは?

加茂商事 デジタルソリューション部 松村弘幸氏


「サッカーショップKAMO」を運営する加茂商事がデジタルシフトを進めている。コロナ禍にEC化率は大きく成長した 。コロナ禍前に実店舗とECの顧客データベースを統合し、OMO(ネットとリアルの融合)基盤の整備を進めていたことで、スムーズにデジタルシフトできたといえる。強みである店舗スタッフの知見を生かすべく、ECサイトでのスタッフコンテンツ活用にも注力している。サッカーに特化し、サッカーファンと生涯寄り添うためのサービスを追求する同社の戦略について、デジタルソリューション部の松村弘幸氏に聞いた。


――コロナ禍の事業の状況は?

加茂商事は1968年に創業し、2018年に50周年を迎えたサッカー用品の専門店です。「サッカーショップKAMO」の実店舗は国内に19店舗展開しており、EC事業は2001年にスタートしました。実店舗とEC以外に外商事業もあり、学校やクラブチームなどにサッカー用品を販売しています。

新型コロナウィルスの感染拡大の影響もあり、EC事業は大幅に売り上げを更新し続けています。コロナ禍になる前に実店舗とECの顧客データベースの統合など、OMOの基盤整備に着手できていたことが大きかったと思います。


▲「サッカーショップKAMO」の実店舗

――OMOはどのように整備してきたのですか?

以前はEC事業を伸ばすために自社ECサイトだけでなく、「楽天市場」「ヤフーショッピング」「Amazon」に出店していました。ただ、数年前から実店舗とECサイトの垣根がなくなり、両チャネルを連動させて、在庫も統合させて販売していこうという方針になり、自社ECサイトに投資を集中させてきました。

2014年から紙で管理していた実店舗の会員情報をウェブ上でデータ管理するようになり、2019年10月には店舗と自社ECサイトの顧客データベースを統合しました。ECサイトのシステムに実店舗の在庫データも連携させ、ECサイトにその情報を掲載できるようにし、また、スタッフ専用のサイトで在庫状況の確認や取り寄せ もできるようにしました。以前はECサイトの上流に基幹システムがあり、そこで在庫を管理していましたが、現在はECサイトが上流にあり、そこで管理している在庫情報を実店舗でも確認する形にしてます。そうすることで実店舗とECサイトで機会損失なく、販売ができる体制になりました。

ECモールの在庫とも連動していたのですが、どうしても売り越しのタイムラグが発生してしまいます。顧客情報もECモールではバラバラになりますし、販売手数料や運用の手間がかかることもあり、自社ECサイトに集中していきました。EC売上高における自社ECサイトのシェアが圧倒的なものになっていたこともあり、昨年6月頃にECモールの店舗は閉鎖しました。

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