2024.06.24

【売上1000億円達成へ】歯愛メディカル 清水清人代表「新物流が稼働、ニッセン買収で業績拡大」

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歯愛メディカル 代表取締役 清水清人氏


歯愛メディカルがさらなる成長フェーズに入ろうとしている。新たな物流センターの稼働やニッセンホールディングスなどを子会社化したことで連結売上1000億円の達成もみえてきた。販売チャネルを広げつつ、DXによる支援サービス領域に踏み込んでいく。今期の連結売上は前期比9.6%増の500億円を計画。白鳩やニッセンホールディングスとの取り組みも含めて今後の展望を清水清人代表に聞いた。



EC化率は50%前後で推移


2023年12月期の通信販売事業の業績を振り返る。売上高は前期比4.6%増の423億1000万円。総利益は微増の106億1000万円となった。価格改定を行いつつ、当社が主催するデンタルショーの開催などにより増収で着地できた。

EC化率は50%前後で推移している。ただ、新ロジスティクスセンターの完全移転が当初の計画よりも遅れたことが影響し、全体の営業利益は前期比25%減の29億円となった。

当社の展示会は各地域で展開している。年に4~5回程度のペースだ。当社には各地にショールームがあり、このショールーム兼営業所を起点に、営業マンがセールス活動を行い、展示会の対応も手掛ける。展示会では、大型商品を中心に販売する。過去には、1日と半日程度で8億円程度の売り上げを上げた実績もある。

今年は名古屋や大阪、福岡でも開催し、東京での開催も検討している。展示会による攻勢は引き続き、強化していくポイントだろう。

ただ、展示会の開催からまだ2年程度しかたってない。展示会自体のやり方も模索していく必要があると思っている。

他にも、歯科補綴物などを作る技工所のM&Aを積極的に行っている。青森、東京、横浜、長野にエリアを拡大し、今後もM&Aを行うつもりだ。1つの技工所で数百件を超える案件を抱えている。これらの案件に対して当社はアシスタントとして加わり各社の支援を展開していく。


販売チャネルを拡大


今期は販売チャネルの拡大にも取り組む。

現在、展開する販売チャネルは、歯科や医科、介護、調剤薬局、幼稚園、エステ、理美容、動物病院など。今年6月から本格的に北信越を中心に工場や事務所向けの通販を始めた。市場規模は小さいかもしれないが、競合がいないため、一気に開拓を進める。

白鳩やニッセンホールディングスも絡めて北陸エリアの開拓を進めていくつもりだ。

歯科のDXも進める。生産性の効率化をあげるため、アポイントシステムやインプラント・矯正のソフトウエア販売などを進める。改めて、歯科業界を深堀していきたい。

加えて、韓国のImagoworks社と「Dentbird」の独占販売代理店契約を調印しておりAI自動化サービスも推進していく。


売上1000億円を視野


ニッセンホールディングスの子会社化などによって、当社も売上高1000億円が射程圏内に入った。新しいロジスティクスセンターの整備や体制作りを早急に進めて利益率向上にもつなげていく。前述した歯科を中心とする各業種のDXの推進は、ニッセンや白鳩、デンタルフィットなどの強みも生かしていく。

白鳩やニッセンとのシナジーや今後の協業については、商品開発軸でのチャンレンジや物流を中心に各社との合理化などを進めていきたいと思っている。ただ、まだ確定していることはないが、ニッセンに関しては今年7月以降に詳細を発表する予定だ。

ニッセンだけに限らず、総合通販は全体的に厳しい状態が続いている。当社としても原因を追究して改善につなげていくつもりだ。おそらく、当社の新物流施設を生かす形から取り組みが進んでいくだろう。




【記者の目】
同社の売上はM&Aを除いても500億円規模に拡大した。これからはスケールメリットを生かすフェーズに入る。インタビューでは販売チャネルと商品の拡大を進めるために物流戦略に取り組むことを明らかにした。生産能力3倍の新物流施設がフル稼働したととき、着実な成長が見込まれる。







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