2023.07.05

【2023年版】「化粧品通販売上高ランキングTOP92」発表 会員限定でTOP46をウェブ公開


「日本ネット経済新聞」の姉妹紙である「日本流通産業新聞」がまとめた「【2023年版】通信販売化粧品売上高ランキングTOP92」によると、92社の合計売上高は6198億5800万円となった。前年と比較可能な24社で算出した実質成長率は、4.3%のプラス成長だった。1位となったオルビスではアプリやコンテンツを活用し、CRMに注力しているという。






リアル回帰対策にコンテンツ活用


1位となったオルビスでは2022年12月期の全社売り上げが、前期比1.7%減の384億1700万円となった。売り上げの大部分を化粧品が占めるとみられる。全社売り上げのうち、国内ECの売上比率は60.5%だという。

オルビスは2022年11月、無料のスマートフォンアプリ「ORBISアプリ」をリニューアルした。肌の悩みに寄り添い、AIによる肌の分析結果に基づいたスキンケア方法を提案するサービス「肌カ.ル.テ」を、同アプリ内で新たにスタートしたという。今後も、アプリを核としたCRM戦略を加速させていく方針のようだ。

同社のアプリは、約447万件ダウンロードされており、登録顧客数は約300万人となっている。アプリを通して、顧客側からブランドに触れる機会が増えたとしている。

同アプリのユーザーは、「オンラインカウンセリング」「パーソナルカラー診断」など、さまざまなコンテンツを利用できる。こうしたコンテンツに触れる回数が多い顧客は、そうでない顧客に比べ、購入単価が高くなる傾向があるという。

こうしたテックの活用が進んでいるのはオルビスだけではない。「肌診断」「肌の自己管理アプリ」「バーチャルメーク」などの開発・活用が、各社において進められている。

協和では6月26日、肌の自己管理がスマートフォンでできるアプリ「fracora美肌スキャン」をリリースした。

アフターコロナでユーザーのオフライン回帰が進む中、こうしたテックコンテンツを用いた「オンラインでの体験価値の向上」が、今後より一層求められるようになりそうだ。


製品力で増収


新日本製薬の2022年9月期の通販売上高は、前期比4.7%増の327億2800万円だった。通販事業においては、主力以外のブランドから発売した「クッションファンデーション」「FOCUS(フォーカス)」の売り上げが貢献し、増収となったという。

同様に、複数ブランドの伸長が増収につながったのがプレミアアンチエイジングだ。同社の2022年7月期の通販売上高は、前期比8.4%増の241億5000万円となった。主力ブランド「デュオ」に依存した事業構造から脱却できたことが、増収の要因となったとしている。クレンジングバームブランド「デュオ」は2022年7月期時点で、同社の売り上げの82%を占めている。

「デュオ」以外の複数ブランドの売り上げが伸びたという。「カナデル」「クレイエンス」などが、通販で特に好調だった。新規顧客の獲得にも寄与したとしている。

一方で、競争激化の中、「デュオ」の売上高は想定よりも減少したという。


複数ブランドの伸長


自社開発した美容品・日用品などの、卸やEC展開を行う、I-ne(アイエヌイー)は、成長を続けている。全社売り上げのうち約3割がECによるものだという。

複数ブランドで成長が続いており、最も好調なブランドはナイトケアブランド「YOLU(ヨル)」だという。ヘアケア商品を中心に展開する同ブランドの2022年12月期の売り上げは、前期比848.2%増だった。

「YOLU」のパッケージデザインは注目を集めている。インハウスクリエーティブが、同社の大きな強みになっているという。同社の人気ブランド「ボタニスト」「サロニア」のデザインが、「グッドデザイン賞」を受賞した実績もある。

デザイン・ブランディングに携わる「ブランディング本部」の人員は50人以上。社内で何度も議論を重ね、アウトプットされた商品を市場に展開しているそうだ。

「サロニア」という美容家電ブランドも好調で、高価格帯の商品を展開したことが、実績拡大につながった。ECモールと家電ジャンルの相性が良く、2022年7月開催の「アマゾンプライムデー」での売り上げは、前年開催時に比べて3.6倍に伸長したという。同11月開催の「Amazonブラックフライデー」の売れ行きは、前年の2.7倍となった。

2022年6月には、自社ECサイトのリニューアルも行ったという。オウンドメディアとして、コラムなどのコンテンツを拡充。UI/UXを見直し、導線の設計を改善した。その結果、ページの滞在時間が長くなり、PV数がアップするなど、良い影響が出ているそうだ。

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