2022.08.15

【2022年夏版】「通販売上高ランキングTOP500」発表 会員限定で売上TOP100を公開


日本流通産業新聞が集計した「通信販売・通信教育売上高調査〈夏季〉」によると、上位500社の合計売上高は10兆6188億1800万円だった。前期との増減率が分かる169社で算出した実質成長率は9.6%増となった。決算期のタイミングにもよるが、コロナ禍の通販・EC需要拡大の影響を受けて好調な実績を上げている事象者もいれば、コロナ禍の業績拡大の反動でマイナスに転じている事業者もいる。アフターコロナに向けて、事業者の明暗はより明確に分かれそうだ。



実質成長率は9.6% コロナ特需の“次”で明暗


500社中、増収企業は133社、減収企業は46社あった。増収率を上位から並べると、1位がファーマフーズ(293.2%増)、2位がフューチャーラボ(137%増)、3位がエコリング(124.6%増)となっている。

1位のファーマフーズは、「ニューモ育毛剤」を中心にサプリメントや化粧品などを、ウェブだけではない多様なマーケティング手法を駆使し、顧客獲得に成功している。2位のフューチャーラボは、ファーマフーズの連結子会社だ。

トップ3以外にも、BtoB通販企業の増収が目立った。MonotaRo(モノタロウ)やミスミグループ本社は20%以上の増収となっている。アスクルや大塚商会、アズワン、カウネットなども増収している。

コロナ禍でDXが進む中で、備品購入や資材仕入れのデジタルシフトも進んでいるようだ。


ECモールの大きな存在感


1位のアマゾン(日本事業)の売上高は、米アマゾン・ドットコムの2021年12月期における日本事業の売上高230億7100万ドルに対して、2021年の平均為替レート(1ドル=110円)で円換算して掲載した。圧倒的な規模を誇りながらも2桁の増収となっている。

楽天グループの直販事業も拡大しているようだ。楽天西友ネットスーパーの2022年1-6月期(中間期)の流通総額は、前年同期比14.6%増になっている。グループ間のサービスの併用が進み、利用者数の拡大を押し上げている。

アマゾンや楽天グループなど、コロナ禍で利用者数を拡大したマーケットプレイスは、アフターコロナでも高いシェアを維持できそうだ。


積極的にOMOで活性化


アパレル企業の成長も継続している。最大手のユニクロは17.9%増収と成長を継続しており、大手は軒並み増収を継続している。

コロナ禍では実店舗の顧客をECに誘導する施策が顕著だったが、実店舗に顧客が戻りつつある今後は、実店舗とECのシナジーを高めるOMO(オンラインとオフラインの融合)施策が重要になる。

コロナ禍にOMOの基盤を整備したアパレル企業は多い。顧客がリアルとネットを行き来しやすくなる時期を見計らって、積極的にOMOを活性化する施策を展開するだろう。

大手通販企業やテレビショッピング企業は、減収が目立った。コロナ禍に中高年のデジタル活用も進んでおり、カタログやテレビ以外のチャネルで通販を利用するユーザーも増えている。

各社ともデジタル施策を展開しているが、既存のサービスの強みを生かしたデジタル展開を模索している感もある。今後の動向に注目だ。

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