――周辺ソリューションの導入も進んでいる。吉田:いずれのソリューションも導入が進んでいる。チャット型接客ツール「talkmation」は、コールセンターなどのカスタマーサポート(CS)における人件費を抑えることに貢献している。多いところだとCSコストの80%をカットできたケースがある。
シナリオに基づいてチャットで自動返信することが可能なので、コールセンターがつながりにくい時間帯や、対応時間外である夜間でも質問に応答でき、ユーザビリティーが上がっている。
入力フォーム最適化システム「smart dialog」も引き続き好評だ。LPにチャット型対話式フォームを実装でき、コンバージョンレート(CVR)を高めることができる。
パーソナライズシステム「1d color」もニーズが高まっている。
花岡:「1d color」は、パーソナライズブランドだけではなく、モール型のショップにもニーズがある。SKUがたくさんあるECサイトでは、ユーザーがどれを買ったらいいか迷ってしまうことがある。ユーザーにニーズをヒアリングして、お薦めの商品を提案するレコメンド的な使い方も「1d color」ならできる。
「1d color」と「ecforce」を連携することで、こんな施策も可能だ。既存ユーザーにアンケートを取り、その回答結果を顧客データにひも付け、その後のマーケティング施策に活用することができる。顧客を深く知り、CRM施策を展開することでLTVが向上する。
――他社のソリューションからの乗り換えで苦労する点は?花岡:カートが提供する独自のペイメントを導入していると、乗り換えの際にクレジットカード情報を引き継ぐことができないケースがある。特に定期購入型のビジネスモデルの場合、事業破綻するくらいのインパクトがある。事業が大きくなればなるほど、そのリスクは大きくなるので、そこに気付いて早めに当社に乗り換えていただいたお客さまもいる。
吉田:ソリューションによっては、ショップ内のデータを落とすためのCSVの機能がないものある。ドメインもカート側で設定するため、ドメイン自体を引き継げないこともある。手軽さが後々、大変なことになることもあるので、カート選びは慎重にした方がいいと思う。
▲取締役COO 花岡宏明氏(左)、アカウントエグゼキューショングループ グループマネージャー 吉田光氏(右)――今後、さらに強化するポイントは?花岡:デジタル広告でどんどん売り上げを伸ばすことができた時代から、戦略が複雑化してくる時代になってきている。「ecforce」は他のツール群とともに、今の時代のEC運用に最適化された状態を維持する。
その軸になるのがデータ活用だ。ECやリアル店舗、モール、さらにSNSなどチャネルが多様化し、データはますますバラバラになっていく。それらのデータを一元管理し、簡単に使える仕組みにする。
プラットフォームにデータを握られていた世界から、D2Cという形でメーカーがデータを持つ時代になる。せっかくその時代が来ているのに、データの使い方も分からない、使う仕組みもないというのが現状だった。「ecforce」でシンプルにデータを活用し、ブランドの価値を高めていけるようなプラットフォームを提供したい。
データを集めたり、データを生かして施策を展開したりできるツール群も拡張する。マーケティングオートメーション(MA)領域のソリューションも開発している。
▲「次世代EC構想」の実現を目指すツールとノウハウをセットで提供し、年商10億円を2人の従業員で運営できる世界観を実現する。自社のD2Cブランドでは、すでに実現できている。それが実現できることの証明になるだろう。