2023.10.03

アドレス通商、新習志野DCで攻勢へ 他拠点連携と立地に強み

新物流拠点「新習志野DC」を開設

アドレス通商は2022年8月、新物流拠点「新習志野DC」を開設した。松戸や守谷に続く5つ目の拠点で、現在約20社強の大手通販やEC企業が利用している。
 
「新習志野DC」は物流ロボなどを取り入れたDX拠点として展開している。小規模荷主への対応や期間限定で倉庫を利用したい企業など、自由度の高い契約に対応できる体制を整えている。

近隣の拠点には、松戸や守谷のセンターがある。新習志野DCを中心に10キロ圏内に点在するため、物流が一気に増える波動対応も人員移動などで容易に対応できる。

新習志野という立地も人の採用や、拠点の有効的な活用に一役買っている。庫内には、センター長などを含めて社員12人、パート150人体制のもと、1日の出勤数は100人前後で運営している。「センターオープンの採用時には500人を超える応募がきた」(新習志野DC 神村友紀課長)と言う。「物流の品質も担保され、質の高い物流サービスの提供にもつながっている」(新習志野DC 岡崎潤次長)と話す。


積極的な改善提案


「新習志野DC」は4階建て、延床面積は約2万平方メートル強。2~4階の3フロアで業務を行う。各フロアは4区画に分かれ、1区画は約1200平方メートル。1区画ずつの契約を主とするが、庫内の拡張も含めて、荷主の要望に応じて臨機応変に対応している。

同社はフルフィルメント対応を40年に渡って続けている。荷主が抱える問題やコスト、業務効率などのニーズに応えるサービス力に強みを持つ。3温度帯への対応など、商材のジャンルを問わずに、大手テレビ通販やカタログ通販、メーカー系EC、通販EC企業などの物流を支えている。

「新習志野DC」においては、物流ロボを導入するDX拠点として、高稼働・高効率の物流体制を整えている。
 
さらに、昨今は「積極的な声がけを行っている」(岡崎次長)。
 
不良在庫のアナウンスや、保管場所の変更、輸送面でのコストダウンなど、物流側から気付いたことを積極的に荷主に提案している。
 
また、倉庫見学も定期的に実施し、倉庫現場を見てもらうようにしている。「最近は、契約に関する相談や問い合わせが増えている。消費マインドが冷え込んでいるため、セールで一気に販促を行う通販EC企業が増えていることも要因の一つ」(岡崎次長)としている。


人とロボの共存で生産性向上


「新習志野DC」に導入する物流ロボットは、業務フロー全体が自動化に近い形で運用していく。
 
すでに、自立走行搬送ロボット「ラピュタAMR」を5台導入。他にも、「AIピッキングカート」「ランダム封函機」など順次追加している。DXを進めつつ、人とロボットによる現場の生産性向上に取り組む。一方、現状は人による生産性のほうが高い。各センターでの人材教育と定着、そして、隣接する拠点同士の人員追加も引き続き強化していく。

自動化設備を順次導入し、DXを進めている
▲自動化設備を通常導入し、DXを進めている

ただ、物流費のコストにおいては、ロボットの導入が欠かせないという。「ロボットへの投資は荷主の状況にもよる。新習志野の場合は、坪単価で試算している。坪単価の場合、作業費などの面積計算をして、ロボットの導入のほうが、費用対効果が見込めれば導入する。DXの拠点でもあるため、新しい取り組みを積極的に実施していく。DX化を進めながら、物流費のコストを調整していく必要はある」(岡崎次長)と話す。

最終的には、AGV(無人搬送機)や棚搬送型ロボット、高配置ケース搬送型ロボット、AGF(無人搬送フォークリフト)などを導入し、これまで以上の生産性の向上やコストメリットを出せるようにしていくとした。






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