2023.10.02

SBSホールディングス、EC物流を今後10年で拠点10カ所に拡大 野田瀬戸物流センターは来春稼働

来春稼働予定の野田瀬戸物流センター(仮称)。ワンフロアが同社初となる通販EC専用センターとなる

SBSホールディングスは、EC向け売上高1000億円計画に向けた第1歩となる新物流センターが来春にも稼働する。
 
新センターは千葉・野田市の「野田瀬戸物流センター(仮称)」。稼働を機に今後10年で通販EC向けの物流拠点を10拠点増やす計画も始動している。

「通販EC物流への巨額投資を見れば、当社が本気で通販EC物流の開拓を進めていることが分かってもらえるはず。物流業界としては大手の位置にいるが、通販EC物流の強化で、さらに一つ二つ、抜きんでる存在になる」(Eコマース事業推進部 大森茂部長)と意気込む。
 
今後の10拠点計画に関しては、「当社には物流施設の開発もグループ会社で実施できる基盤がある。資本力と資金力もあるため、一気に攻勢をかけることができる。他社に追随を許さないほどの価格破壊を起こすことも可能だ。計画としては、1年に1拠点ずつ増やす予定」(同)とした。


3万平方メートル強のFC


「野田瀬戸物流センター(仮称)」は、12万平方メートル強の物流施設となる。最上階のワンフロアが、同社初の通販EC専用センターとして稼働し、3万平方メートル強の規模で運営していく。
 
入出庫や保管、配送などの物流メニューに加えて、「ささげ」「カスタマーサービス」「受注処理」「ギフトラッピング」「サイト構築・運用」などのEC業務のメニューも揃えている。「ほぼ、フルフィルメントのパフォーマンスで荷主の成長を支えていく」(同)とした。

ささげ業務では、撮影スタジオを併設する。撮影から画像のトリミング、専属カメラマンやコーディーネーターの手配、採寸サービスなどをメニューとして提供。スタジオを併設するため、即時対応を可能とする。
 
他にも、「冷凍」「冷蔵」「定温」「常温」の4温度帯に対応できる設備を設け、EC含む食品流通全体をカバーできる。危険物などの特殊商品の保管や返品商品の格上げ作業、検針や値札付、値札切などの細かい流通加工などにも対応できるようにする。
 
土日祝日を含む365日の稼働、温度管理、化粧品製造業などの完備なども新センターの特徴の一つとなっている。


専業や兼業も可能


同社はこれまでもBtoB、BtoCなどいずれの領域にも対応してきた。

BtoBを専業する企業が、BtoCに参入する場合や、両方展開するケースなど、荷主に合わせた対応も可能だ。「専業や兼業などの対応ができるのは、倉庫が拡張できることと、独自のWMS(倉庫管理システム)を持っているから」(同)と話す。

「野田瀬戸物流センター(仮称)」においては、1区画900平方メートル強の利用から、約3万平方メートルまでの拡張が可能。900平方メートル以下の対応も可能にしている。
 
導入する物流ロボもDXを起点に、入荷・入庫作業はハンディ、保管・ピッキングは、棚ロボや都市型立体ロボット「CUEBUS(キューバス)」、ケース高層ロボが入る予定。梱包は、自動梱包機、仕分けはソーターなどが導入される。業務フローのほとんどが物流ロボの活用となり、汎用性の高い対応を可能にしている。

今年10月、野田瀬戸物流センター(仮称)の開設に先立って、「LTラボ」の限定公開ツアーも行う予定
▲今年10月には、野田瀬戸物流センター(仮称)の開発に先立って、「LTラボ」の限定公開ツアーも行う予定


小規模対応も可能に


同社はこれまでBtoBやBtoCの通販EC物流において、月間で数千件から数十万件規模を受注して成長を続けてきた。

「野田瀬戸物流センター(仮称)」の開設を前に、通販EC物流領域のソリューションに強みを持つコマースロボティクスと2023年10月に連携していく方針を発表。連携によって、SBSホールディングスは、これまで手が出せなかった小規模領域の獲得を図っていく。「連携によるメリットは多々ある。腰を据えてしっかりと対応していくつもりだ」(SBSHD 大森茂部長)。

事業の規模を問わずに通販EC物流の対応が可能となるが、「最終的には、荷主の川上から川下までの物流を網羅していくことがゴール。その延長として越境ECの領域もいずれは網羅していくつもりだ」(同)とした。


■SBSホールディングス
https://ec.sbs-group.co.jp/





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