2023.09.22

【データに見る「ECの地殻変動」】<第19回>経産省「EC市場調査」から見えてくる真実


自社ECのGMVは5000億円減少


4点目はプラットフォーム比率について。報告書に記載はないが重要な点なのでしっかり説明したい。Amazon、楽天市場、ヤフーショッピング、au PAYマーケット、Qoo10、ZOZOTOWN合計のGMV(流通総額)は、筆者の推定で前年から1兆2000億円増加し、10兆5000億円。全体の75%を占める規模だと推定する。



伸びた要因はAmazon、楽天市場の伸びによるもの。消費者のリアル回帰によってそれまでの追い風の反動が大きいEC業界だが、Amazon、楽天市場に限っては消費者の購買行動が定着化していると見る。

ここで冷静に計算してみたい。全体の増加額は7132億円。プラットフォームの増加分は1兆2000億円なので非プラットフォームは差し引き、約5000億円のマイナスとなる。非プラットフォーム、つまり自社ECのGMVは前年比で5000億円減少という計算だ。

自社ECでも売上増の企業は一定数存在する。したがってこの事象は自社ECにおいて売上の二極化が進んでいると推察する。自社ECを推進する企業はこのタイミングで戦略の再考が重要と考える。巻き返しを期待したい。












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