日本最大級のライブコマースアプリ「Peace You Live」を運営するピースユーの23年4ー6月期（第1四半期）の平均流通取引金額は、前年同期を大きく上回った。特に2023年5月度の平均流通取引金額は、過去最高金額を達成した。広告の運用を強化し、「Peace You Live」を利用したことのない新規顧客の獲得に成功。キャンペーンを実施して、既存顧客からの支持を高めることができたのも、流通取引金額増加に寄与した。
｢ピースユーライブ｣は､ECとライブ配信を組み合わせたライブコマースアプリ｡2020年9月のサービス開始から急速に成長し、約2年間で流通総額は30億円以上に上る。ライブ視聴時間は200万時間に達し､延べ2000人以上のライバーが登録している｡販売している商品ジャンルは､アパレルやコスメ､食品､雑貨など多岐に渡る。
第1四半期にアプリインストール広告の運用を強化した。ライブコマースなどで検索した人に「Peace You Live」の広告を表示して、ダウンロードの促進を図った。TikTok広告やFacebook広告、Instagram広告などの運用も開始した。
「中でも、若者を中心にシェアを拡大している『TikTok広告』とは相性がいいはずだ。広告からの流入拡大に期待している」（藤瀬公耀代表）と話す。
▲藤瀬公耀代表ほかにも「キャッシュバックキャンペーン」として、「Peace You Live」で商品購入額が一定以上に達したユーザーを対象に、抽選で３万円を還元するキャンペーンを実施した。キャンペーンを強化し、既存顧客の利用促進につなげた。
ピースユーでは、「Peace You Live」において、広告費やキャンペーン費に予算をしっかり充てているが、藤瀬代表によると、費用と売り上げのバランスは調整を取れているという。
「ライブコマースは、ECと違い、視聴者と配信者がコミュニケーションを取って、最終的に購入につなげることができる。そのため、広告費をしっかりかけても、コミュニケーションをしっかり取ることで、きちんと売り上げにつなげることができる」（同）と話す。
モール売上０円も「Peace You Live」で売上確保に成功
豆腐でできた代替肉を製造・販売するトーフミートは、大手ECモールに出店しても売り上げは０円だった。だが、「Peace You Live」を利用してから、売り上げを確保できているという。
「先ほどのコミュニケーションを取るということにも関係するが、ライブコマースではコメントを読むことは当たり前だが、それに加えて『配信者のキャラクター化』や『フレンドリーさ』が重要となる。実際に『トーフミート』では、社長が被りものをし、寄せられたコメントに堅苦しくなく、フランクに対応したことが良かったのだろう。さらに理想を言うと、コメント次第では、ちょっと突っ込んだりするほうがいい。そのようにして一度訪れた人にファンになってもらい、再度訪れることを目指していく」（同）と説明する。
