2023.07.31

【生鮮品EC<第4回>】事業を通じた社会課題の解決 アップサイクルで食品ロス削減を支援


 ▶ビビッドガーデン「食べチョク」

樹木オーナー権を企業に販売 安定した収益で生産者を支援


産直通販サイト「食べチョク」を運営するビビッドガーデンは、今年1月に始動した「食べチョク一次産業SDGsプロジェクト」の取り組みを本格化している。今年4月から、生産者が栽培する果物の樹木のオーナー権の企業向け販売を開始。1社目の賛同企業となったSBI FXトレードには、リンゴの木20本、ミカンの木15本のオーナー権を販売し、それぞれの木で栽培・収穫した果物を顧客向けプログラムの特典に活用している。


▲果物の樹木オーナー権を販売

世界情勢の急激な変動により、肥料や燃料など生産に必要な資材価格の高騰が続く。同社が2023年4月に生産者への影響を調査したところ、5割の生産者が「2022年の経営が赤字」と回答し、厳しい状況が続いているという。

こうした課題を解決するために、企業が生産者にまとまった数量の注文を事前に約束することで、生産者が計画的に栽培できるようになり、生産現場の食品ロス削減につなげる取り組みだ。また、自然災害などの際にも経営を安定して継続できる環境づくりに役立てる。

賛同企業のSBI FXトレードは、リンゴとミカンの木のオーナーになり、その木で栽培・収穫した果物を顧客向けプログラムの特典にした。収穫までの期間は、栽培の様子や生育状況など顧客が楽しめるコンテンツを同社の特設サイトで公開するという。


▲「食べチョク一次産業SDGsプロジェクト」

ビビッドガーデンの秋元社長は事業を通じた社会課題の解決について、「一次産業が持続可能な状態になるために、予測不可能な自然災害を受けてしまう生産者のサポートも重要だ」と指摘。その上で「SBI FXトレードがオーナーになったリンゴの木も、20本のうち一部が被害を受けた。本来被害を受けると売り物にならないが、その分も含めて全てSBI FXトレードが購入した。購入した木で収穫できた果物は、賛同企業の顧客向け施策などを通じて楽しんでもらいたい」と話している。

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