2023.07.22

【インテリアEC特集 <OMO編>】ECと店舗の両輪展開で次の成長へ

インテリアEC企業が、実店舗の展開を加速させている。ECと店舗を両輪にした施策を推進して成長を目指している。店舗展開は売り上げの拡大だけが目的ではなく、「コミュニティーの創出」「顧客との関係構築」「新規顧客の獲得」なども目指している。デジタルのコミュニケーションから、リアルのコミュニケーションに移行すること自体にも可能性を見据えているようだ。実店舗を展開する主要なインテリアEC企業の取り組みをまとめた。



【CONTENTS】
▶Flavor、密接な関係性を構築 都内に新たな出店も
▶ソレイユ、サービスの高い完成度目指す 店ではサンプル使ってお試し
▶友安製作所、カフェスペースも併設 自社商品で店内コーデ
▶オフィスコム、内装工事サービスに貢献 店舗ではイメージ確認も



Flavor、密接な関係性を構築 都内に新たな出店も


インテリアECサイト「Re:CENO(リセノ)」を展開するFlavor(フレーバー)は、来店客の大半が、ECサイトを見て来店している。

こうした状況を踏まえて山本哲也社長は、「ECと店舗は密接な関係性がある」とし、今後も新たな店舗を都内に設ける計画を進めている。

Re:CENO TOKYO店
▲Re:CENO TOKYO店

同社が販売するソファーの単価は20万円以上で、ダイニングは10万円以上する。こうしたアイテムを多数揃えていることもあり、「商品を体感してから購入したいという声が多い」(山本社長)。

また、ECサイトと連動する形で、オウンドメディアや動画コンテンツにも注力している。コンテンツには、同社のスタッフもたびたび登場。スタッフの姿を見えるようにして、直接、インテリアの相談をしたいという要望に応え、多くの顧客の来店動機につながっているという。

今期は、アパレル業界で活用されているシステム「LINE STAFF START(ラインスタッフスタート)」を活用して、店舗で接客したスタッフがオンラインでも1対1で対応できるようにしていく。


リスクを体験でカバー

 
家具の購入に関しては、オフラインの購入が今も多い現状を踏まえ、「高額であれば、購入の失敗がユーザーに損失を与えてしまう。実物を体感してもらうことが非常に重要になる」(同)とみる。

商品ブランドの成長には、認知の向上も必要になるが、グーグル広告などウェブ広告のみでは、ブランドの成長を数値化することが難しい。店舗では偶然の出会いという側面もある。

「ウェブスタートは、商品を購入してからブランドの世界観を把握する。店舗の場合は、ブランドを知ってから商品を購入する。こうした違いもある」と分析している。

各スタッフがコンテンツを定期的に発信
▲各スタッフがコンテンツを定期的に発信

店舗展開の重要性について、「家具は体感することが大切。店舗展開は必須であり、王道の戦略である」(同)と言う。また、マーケティングの観点からみれば、ウェブでは生まれにくい成果が表れるのが店舗であるとし、引き続き、ECと店舗の取り組みに注力していくとした。

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