2023.04.25

ライフェックス【連載〈第10回〉】ECの売上戦略×ブランディング!ECの売上を上げるための3ステップ


ステップ3:<ファンを作る>どうファンになってもらうか?


ステップ1では価値を作る、ステップ2では新規を作る、そしてステップ3ではファンを作る、という三つの手順からなる。ステップ3の「ファンを作る」とは、ロイヤルマーケティングやCRMという言葉もあるが、ここもステップ2同様に、ブランドの価値を踏襲した顧客とのコミュニケーション戦略を作るイメージだ。

ステップ1(価値を作る)を、ステップ2(新規を作る)の新規獲得のマーケティングに落とし込む。ステップ3(ファンを作る)では、ステップ1(価値を作る)をコミュニケーション戦略にどう落としこむかが肝になる。ステップ2とステップ3をしっかりと矛盾なく、リンクさせてつなげていくことが重要だ。

失敗する多くのケースは、ステップ2からスタートするパターンだ。ステップ2がステップ3とちぐはぐになっていたり、矛盾があってつながってなかったりという場合がほとんどである。

価値を実践し、有言実行するための新規獲得戦略やコミュニケーション、あるいは接客・カスタマーセンター・フルフィルメント一つとっても、こだわって作っていく必要がある。

「何か一つこれをすればよい」というわけではない。そのブランド・商品に関わる全てのスタッフの一挙一動がブランディングであり、その積み重ねの時間であり、回数であり、それがブランドとしてのインパクトになっていくのだ。

 

中国筆頭のグローバルECとこれからの日本のEC市場の展望


ここからは、これからの日本のEC市場の展望についてお話したい。

現在アパレルのSHEIN を筆頭に、海外からのブランドが多く日本に進出してきている。このEC市場の背景としては、生産力の高い中国を含むアジアの企業が自らのブランドを作って日本および北欧に進出しているためだ。今後のEC市場で、グローバルECを含めた競合がひしめき合うのは目に見えており、その中で勝ち抜いていくためには、先ほど説明した差別化・識別、自分たちの世界観がより求められる。今後のEC市場で生き残っていくためにも、「ブランド力」が一つの大きな要素になっていくだろう。

日本のEC化率をご存知だろうか?中国のEC化率は約50%にも及ぶのに対し、日本のEC化率はわずか8%にとどまる。ECやテクノロジーの分野において、日本は遅れをとっていると言わざるを得ない。中国を筆頭にアジア諸国では、ECがより身近になってきており、日本もこれを受けてさらにEC化の加速が進むのではないだろうか。EC市場が活性化される中で、どうコミュニケーション・マーケティング戦略を作るのかが、今後大きな分かれ道になると考える。新しいテクノロジーへの対応においても、しっかりブランドアイデンティティ(BI)がないと、横一列に差別化が難しいのだ。

「価値を作る」「新規を作る」「ファンを作る」この三つのステップで、一貫したブランド力や考え方を持つことが、ECの売り上げ向上につながる。ひいては、目まぐるしく変化するEC市場の中で「自分たちだったら」と独自の判断ができるようになるのではないだろうか。









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