2022.10.19

越境EC支援のトレンドExpress、約33億円を調達 越境ビジネスプラットフォームを拡大

中国を中心とした越境ビジネスプラットフォームを展開するトレンドExpressは10月19日、グロービス・キャピタル・パートナーズをリード投資家として、シリーズCラウンドの資金調達を実施すると発表した。今回調達した資金は、越境ビジネスプラットフォーム事業の成長加速に向け、データテクノロジーを中心とするテック領域や多彩なタレントの採用・育成に積極的に活用する。

2015年11月設立のトレンドExpressは、中国を中心とした越境ビジネスプラットフォームを展開。“爆買いブーム”の需要取り込みの波にのり、インバウンド顧客の需要予測ツールの開発、中国消費者に向けたPRサービスの提供、越境ECプラットフォーム事業の開発などを行い、事業の立ち上げ期から2019年まで、年平均200%以上の売上成長を続けてきた。

2020年の新型コロナウイルスのパンデミックにより、売上の60%の構成比だったインバウンド需要売上は消滅したが、コロナショック後は、アウトバウンド領域(中国現地法人向け事業、越境EC)に積極的に舵を切り、クライアント価値の最大化と事業成長に注力。ソーシャルコマース事業など、新たな独自サービスや事業の開発を進め、2021年はコロナ前の売上の約3倍の成長を達成した。



このほど、グロービス・キャピタル・パートナーズをリード投資家として、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、WMパートナーズ、サファイア・キャピタル、電通ベンチャーズ、DIMENSIONに加え、既存投資家であるDNX Ventures、MTG Ventures、エアトリから、シリーズCラウンドの資金調達を実施すると発表した。トレンドExpressはこれまでに約12億円の資金調達を実施しており、今回のシリーズCラウンドにより累計資金調達額は約45億円となる。

資金調達の目的には、越境ビジネスプラットフォーム事業の拡大に向けたシステム開発投資、同社のコアであるデータ解析技術やプラットフォームビジネスを拡大するためのエンジニアリング人材をはじめとした多彩なタレントの強化、中国メインランドのビジネスに加えさらなるグローバル展開加速のための市場開発の強化を挙げた。調達した資金は、越境ビジネスプラットフォーム事業の成長加速に向け、データテクノロジーを中心とするテック領域の強化、多彩なタレントの採用・育成に積極的に投資をしていく考えを示した。



トレンドExpressは現在、「国境の先に、新常識を。」をコンセプトに、グローバルブランド企業の商品開発、生産需要の精緻化、調査・広告、流通販売、CRMなどのバリューチェーンを支える越境ビジネスプラットフォームを提供。今後は対象国を中国以外の国に拡大して事業を展開するとしている。



昨今「失われた30年」と称されるように、日本経済の長期停滞が続いている。さらに今後加速する人口縮小により内需の低下が進み、経済大国としての国際的な競争力の減退も懸念されている。一方で、世界ではアジアを中心に経済成長がさらに加速していくことが予想されるとし、日本の優れた商品・サービスを評価し、買い求める生活者の需要を取り込むことは、日本経済活性化に向けた大きなチャンスであり、命題としている。
 
トレンドExpressは、日本経済の活性化にむけた外需の取り込みを図るべく、祖業であるデータ解析の技術を軸にした越境ビジネスプラットフォーム事業を通じて、日本企業のグローバルビジネスを支援していく考えを示した。越境ビジネスプラットフォームにおいては、近年注目を高めるSDGsなど社会課題解決に資する取り組みにも対応。すでに中国市場において、企業の生産活動と生活者の消費行動をデータで精緻に解析し、最適な需給バランスにもとづくサスティナブルな事業活動を支援・推進する実績も出しており、今後も国境の先に新常識を生み出し、日本ブランドの世界的成長に貢献いく考えを示した。


▲トレンドExpress 濱野智成CEO

今回の資金調達にあたり、トレンドExpress 代表取締役社長CEO 濱野智成氏は、「このたびは、先行き不透明な世界経済や厳しい金融市況下にも関わらず、当社のビジネスやチームを評価・信頼、そしてご期待いただいた投資家の方々に心より感謝いたします。当社のようにグローバルにチャレンジする事業にはリスクも伴いますが、挑戦なくして結果は得られません。いかなる逆境も乗り越え、日本発のグローバルベンチャー企業として、日本の人口縮小課題の解決や日本の世界的成長への貢献に向けて、引き続きチーム一同で全力を尽くして参ります。本資金調達を1つの武器にして、国境の先に新常識を生み出すプロダクトやソリューションを開発・提供して参ります」とコメントした。





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