2022.09.05

農作物の価格を消費者が決めるECサイト「ノウタスモール」を開設 生産者と消費者の新たな関係構築へ

ノウタスは9月5日、農作物の価格を消費者が決めるECサイト「ノウタスモール」をプレオープンした。生産者とっておきの逸品をストーリーとともに楽しめるECサイトになっている。

「ノウタスモール」は、生産者のとっておきの逸品を、消費者が直接購入し味わったあとで価格を決めることができる新しい流通の仕組み。生産者のストーリーと共に味わうことでより満足度の高い食体験にもつながるという。味わってから価格を決める決済の仕組みには、ネットプロテクションズのポストプライシングサービス「あと値決め」を導入した。



プレオープンの第一号店舗は実証実験でも大好評だった「岡木農園の巨峰、シャインマスカットのセット」から販売を開始する。熊本のいちごや山梨の柿、老舗の海苔などの隠れた逸品の販売を準備している。同時に運用面の検証を行い、順次規模を拡大していく考えだ。

農作物の価格の決まり方は非常に複雑であり、必ずしも原価や味によって決まるものではない。長年の流通市場の大きな流れの中で固まった相場に変化を与えることは容易ではない。一方で個人の嗜好性が多様化する現代において、「市場価格」と「個人が感じる価値」にはギャップが発生していると考えられるという。ノウタスはこのギャップを埋めることで生産者の持続可能性を高め、各消費者にとって価値のある生産物を持続的に流通させる仕組みが構築できると考えている。

2022年6月、12名の消費者を対象に「巨峰を食べてもらってから価格を決めてもらい、市場価格と比較する」という実証実験を行った。ほぼ全ての人が、市場価格よりも高い価格(1.4倍)で決済する結果となった。「巨峰が濃厚な甘味で、家族全員シャインマスカットより巨峰の方が美味しいとの評価です」「巨峰を食べたのは久しぶりでしたが、甘さと酸味も少しあって本当に満足できました」といった巨峰の美味しさを再確認するコメントも多く寄せられたという。



ノウタスは、「ノウタスモール」を開発を予定している家族経営農家のDXを支援するバーティカルSaaS(Farming as a Service)の一部として位置付け、家族経営農家の持続可能性の向上に寄与する考えだ。





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