2022.03.30

【顧客分析&CRMツール「Sechstant」の導入倍増】店舗×ECで会員データ分析、LINEやアプリのCRMでコロナ渦の課題解決

ecbeing 代表取締役社長 林雅也氏(左)、データマーケティングサービス部 上席部長 西﨑潤氏(右)


「ブランド横断でLTV向上」を発見


――両ツールを導入している企業が効果的に運用している事例はありますか?

西﨑:複数のアパレルブランドを展開している企業が、購入しているブランドの種類の数ごとの顧客のLTVを分析した事例があります。企業側は当初、ブランドごとにテイストが異なるため、LTVが高い顧客は1つのブランドを深く愛しているお客さまが多いと考えていました。しかし、ブランドを横断的に購入する顧客のLTVを分析したところ、LTVが高い顧客の8割以上は複数ブランドを横断的に購入しており、特に購入ブランドの数が多ければ多いほどLTVが高くなるという結果がわかりました。つまり1種類のブランドでLTVを高めるより、さまざまなブランドを体験してもらうことがロイヤルカスタマー化への最適なプロセスであることが判明しました。

さらに1回目に買われやすいブランド、2回目に買われやすいブランド、3回目に買われやすいブランドも分析しました。この分析によって、ブランドを横断する際の購入パターンが見えてきました。アパレル企業さまは、分析結果に基づき、よりブランドを横断的に購入してもらうためのCRM施策に取り組んでいます。


西﨑潤氏(左)と林雅也社長(右)

コスメブランドが商品別の売上ランキングを詳細に分析した事例もあります。新規顧客とリピート顧客の売上ランキングの違いを分析し、その結果に基づいて、ランキング情報の出し分けを行いました。ランキングの名称を変えて、新規顧客には新規購入者による商品購買数ランキングを紹介し、既存顧客にはリピート率の高い商品ランキングを紹介しました。全体のランキングを見たユーザーに比べ、新規やリピート購入のランキングを見たユーザーの転換率は約3倍高まり、直帰率も半分以下に減少したそうです。

特にコスメは肌に付けるアイテムなので、新規顧客は不安もあり、手を出し易いアイテムを紹介することで、購入のハードルを下げることができます。逆に既存顧客には全体のランキングを紹介しても、新鮮味がなかったりするので、既存顧客のニーズにマッチした情報をランキングとして見せることで、効果的に購入を促進できます。

このコスメブランドさまは、このランキングデータを店頭接客でも生かしているそうです。新規顧客と既存顧客で接客する際のトークスクリプトを分けており、その内容にランキングの情報を反映させているそうです。

CRM施策としては、LINE、アプリの需要が高まっています。店舗で獲得したLINEユーザーや、アプリユーザーへのフォローが目的です。

ファッション系の企業様では、LINEミニアプリで店舗会員を獲得して、「Sechstant CRM」のLINE配信機能でフォローアップをしてF2転換やEC利用を促進したり、別の企業では、Yappli配信でシナリオを自動化して業務効率化を図ったりと、今まで別々のツールで行っていたCRMの取り組みが一元化できたことで、横断的、且つ、統合的にCRM施策を計画し、実行し始めている企業が増えていることを感じています。

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