2022.01.14

【新春インタビュー】高島屋 郡一哉氏、西名香織氏「『ハレの日』以外も利用が拡大」


――2021年、カタログ通販はどうだったか?

:今期、これまでの売り上げは前年比約7%増で推移している。これは、2019年と比較すると約30%増となっている。2020年は大きく伸ばすことができたが、2021年も落ちることなく伸ばすことができている。

――クロスメディア事業部で、現在、引き合いが伸びている商材は?

:カシミヤ衣料とおせちの2つだ。カシミヤ衣料の売り上げは店頭を上回っている。おせちも近い将来、そうなる見込みだ。売り方、買い方がリアル店舗から変化していると感じる。

――カシミヤ衣料やおせちが順調な理由は?

:一定のクオリティーが担保されつつ、買いやすい中価格帯で、さらに「高島屋ブランド」を楽しめるため、通販で強い商品となっている。おせちは、ECでシズル感のある画像や動画を見られることが大きい。

――クロスメディア事業部が今後、取り組みを強化していくポイントは?

:冷凍食品のマーケティング強化。2021年11月、冷凍食品のカタログを新しく発行した。掲載しているブランドは全て、高島屋のデパ地下に入っている。デパ地下で買い物をし、店頭で冷凍食品のカタログを受け取った顧客の購入機会の増加が期待できる。ECだけにとどまらず、カタログでもOMOができると思っている。

――クロスメディア事業部がマーケティングで重要視していくことは?

:70代以上の夫婦の日常生活に寄り添っていけるような品揃えを作っていくこと。手に取りやすい中価格帯の商品展開を重視し、ロイヤリティーの高い70代以上の顧客のニーズに応えていく。衣料カタログ「タカシマヤスタイル・プリュ」でも、百貨店ブランドでありつつ、ほどよい価格で手に取りやすいラインアップを重視。引き合いは伸びている。今後も、ハレの日だけにとどまらず、日常使いでも高島屋の利用を拡大させていく。

――コールセンターの応答率は?

:85%を維持している。繁忙期は70%を割ってしまうこともあるが、そうしたタイミングでお叱りの声をいただいたユーザーには、後日当社から架電し、フォローを入れている。コールセンターに限らず、2021年は顧客接点の強化、満足度向上に力を入れた。顧客相談窓口には毎日20~30件、顧客からの声が届く。それに毎日目を通し、迅速な対応を徹底した。「カタログの字が見づらい」という顧客の声をくんで、ユニバーサルフォントの使用を始めたこともある。その顧客にフォントの変更を伝えると、これまで以上に当社のファンになってくれる。2021年12月は、稼働顧客が27万人に達した。こうした消費者参加型のマーケティングは、今後も根強いファンづくりに期待できそうだ。

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