2022.01.07

【新春インタビュー】カタログハウス 松尾隆久社長「リピート商品を強化」


カタログハウスの2022年3月期は、5期ぶりの増収が確実となっている。中間期の売上高が前年同期を上回ったとともに、売れ筋商品を集めたカタログ「ピカイチ事典」を5年ぶりに発行したためだ。今期の進捗状況や来期の計画を松尾隆久社長に聞いた。


マス媒体で新規開拓


――2021年4‐9月期(中間期)の売り上げ状況は?

前年同期を上回って推移している。前年上期はコロナの影響が見通せず試行錯誤して、ほとんど広告を出稿していなかった。今期は上期からマス媒体に積極出稿しており、新規のお客さま獲得を進めている。通期で見ても増収となるのはほぼ間違いないだろう。なぜなら今期は、売れ筋商品を集めた「ピカイチ事典」を発行したからだ。業績としてはまずまずの見通しだが、課題は新規のお客さまをいかに獲得していくかだ。現状、出稿媒体として積極展開しているのは、新聞広告や新聞折り込みチラシ、テレビになる。

――マス広告は、商品を販売しながら顧客リストを獲得する方法か?

そうだ。マス広告で取り扱う商品は、ほとんどが当社の売れ筋の商品だ。例えば、新聞広告だったら「メディカル枕」、新聞チラシだったら「もろみ酢」、テレビなら「薄焼いわし」などだ。カタログでの売れ筋商品は、他の媒体でもやはり強い。前期から食品の売り上げが伸びているが、それは食品専門の媒体「益軒さん」を作ったからだ。さらに食品の頒布会も強化している。今期は「ピカイチ事典」があるから売り上げは伸びるが、「ピカイチ事典」は毎年発行している媒体ではない。その間に食品や化粧品といったリピートが見込める商品を強化していきたい。特に食品を充実して、媒体のボリュームも増やしていきたいと考えている。

――やはりリピート商品の方が、顧客との関係性が強化できるからか?

リピート商品でお客さまとの関係性の基盤を作っていきたい。当社が主力としてきた雑貨は現状、大手ECモールでも展開されてしまうので、珍しい商品があったとしても、すぐに広がってしまう。オリジナル商品なら別だろうが、オリジナルは年間何商品も開発できない。長年売っていける商品を数多く確保する状況を作っていくのは難しい時代だ。

RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事