2021.11.29

【高付加価値化粧品開発〈インタビュー〉】実正 角谷昭博営業部長「三つの乳化技術の提案を本格化」

角谷昭博営業部長

ーーマイクロエマルション技術を用いた透明乳化製剤の利点について教えてください。

透明~半透明のエマルションを形成できるというのが利点の一つです。従来の乳化製剤は白色不透明というのが一般的でした。外観でインパクトを与えることができます。

もう一つの利点としては、高い安定性を挙げることができます。長期間経過しても、粒子径が変化せず、熱力学的に安定しています。

マイクロエマルションの粒子径は非常に細かいため、化粧品の浸透性や使用感の向上にもつながります。美容成分の浸透性が高まれば、効果実感につながりますし、べたつきのない、なじみの良いテクスチャーの実現にも貢献します。マイクロエマルション技術を用いた透明乳化製剤についても、皮膚への浸透性が高まることや、皮膚保湿効果が高まることを確認しています。

これら三つの乳化技術を用途によって使い分けていただくことにより、より付加価値の高い化粧品の開発が可能になると考えています。

ーー化粧品の高付加価値化について、他のアプローチも提供できますか。

もちろんです。例えば、その一つが、SDGsへの対応です。最近は、SDGsへの対応をしっかりと前面に打ち出すことにより、化粧品の高付加価値化につなげようという企業が増えています。そんな中、当社ではこれまでも、「おひさまでつくった化粧品」の掛け声のもと、太陽光発電システムを導入するなど、環境貢献に向けた取り組みを進めてきました。この取り組みをさらに進め10月1日からは、購入電力を100%再生可能エネルギー化することにしました。自前の太陽光発電で賄えない部分の電力についても、太陽光・風力・バイオマス・地熱などによって作られた電力を用いることにしたのです。

当社では昨年、約17万キロワット時の電力を使用していました。これを再生エネルギー化することにより、年間85.3トンのCO2の排出を削減できることになります。

お客さまも「自分たちの化粧品は、再生可能エネルギー100%の工場で製造している」と訴求できるようになると思います。当社としては今後も、環境に配慮した取り組みを行い、肌にも地球にも優しい化粧品づくりを推進していきたいと考えています。

最近では、お客さまに持ち込んでいただいた独自原料を使った化粧品の開発を行わせていただく機会も増えています。地産の原料を活用した化粧品の開発などを通して、地域産業の活性化にも貢献していきたいと考えています。


実正
https://www.misho.co.jp/

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