2021.04.13

【柿尾氏に聞く】アマゾンや楽天に依存しない 本質的な通販事業者を育成する「柿尾通販塾」とは?


九州の通販事業者によるモデルを参考にするべき


――「柿尾通販塾」はプランクトンRが運営しているが、塾を通じて将来、通販事業を拡大したいと考えている事業者に対し、プランクトンRのクライアントになってもらいたい狙いもあるのか?

もちろんだ。公共事業として行っているわけではない。ただ、通販事業者が育っていって循環していくわけで、通販事業者が元気になることによって、通販に関連する事業者を元気にしたいというスパイラルを作れればいいと思っている。特に地方の事業者は九州の通販事業者によるモデルを参考にするべきだ。現状、多くの事業者がコロナ禍で痛手を被ってきている。通販事業はまだいいと言われているが、事業者によっては格差が顕在化している。特に東北を含めた北のエリアは、通販事業による成功例が全国より少ないというのが実情だ。しかし、地方自治体にとって現在は、県外の税収を取らなければならない状況だと思う。特に東北を含めた地方は、過疎化による人口の減少で、地元の小売業が回っていかない。それに対して九州の通販事業者によるモデルは、東京や大阪といった大票田で売り上げを取っている。その事業モデルは、通販事業者として大事だと思う。

――北海道には北の達人コーポレーションのような成長企業があるが、東北で通販が伸びない要因については、どのように考えているのか?

やはり第一次産業の文化が中心になっているからだと思う。九州の通販事業者はオリジナル商品を作って全国区になっていった。健康食品、化粧品もそうだし、めんたいこもそうだ。しかし、東北以北の事業者は、漁で獲得した魚などを調理して販売している。これは観光産業としてはいいのかもしれないが、通販として情報を発信するときにはインパクトが弱いと思う。それは地方による文化の違いがあるとは思う。また、販売手法として九州の場合は長けていると思う。コールセンターの運営やオペレーターのスキルもそうだが九州は盛んだ。

もう一つは、地方が有利で頑張らないといけない時代だが、さまざまな意味でノウハウや情報の格差があるのは否定できない。コスト的に地方の有利さはあると思うが、情報交換とか情報共有の機会が少ないと感じている。さらに、通販は1人ではなかなかできないビジネスだ。それこそ、プランクトンRみたいな通販に知見のある支援会社がサポートしてくれる環境が必要だと思う。「柿尾通販塾」では、そうした情報を伝えていきたいと考えいている。

RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事