2021.01.19

【2021年の展望「Yahoo!ショッピング/PayPayモール」】ヤフー 畑中基執行役員「連携強め、さらなる利便性向上を」

【ECソリューションマップ2021「ECモール&プラットフォーム編」〈有力モールに成果と展望を聞く〉】


ヤフーが運営する「Yahoo!(ヤフー)ショッピング」「PayPay(ペイペイ)モール」が順調だ。2020年4−9月期(中間期)の両ECモールにおける新規購入者数は、前年同期比38.0%増。新規出店申込数は同34.0%と大きな伸びを見せた。ヤフーの畑中基執行役員コマースカンパニー・ショッピング統括本部長に、2020年の成果と2021年の取り組みについて聞いた。


EC利用者の裾野が広がる


――2020年の両ECモールを振り返っていただきたい。

取扱高・出店数ともに大きく成長した1年だった。新規ユーザーの購入も増え、ECモールとしての裾野が広がった。

購買データを見ると、「巣ごもり需要」にあたる商材に加え、消耗品など日用品の販売が目立った。外出自粛が続く中、普段の買い物の受け皿として、ネットショップが機能したことの現れだと捉えている。30~40代のメイン層に加え、50代以上の年長者や若年層の新規購入も目立った。若年層の拡大は「ZOZO」の出店によるところも大きい。

――2019年に開始した「ペイペイモール」の状況は?

厳選されたストアが集う「プレミアムモール」として、消費者・出店者双方に一定のアピールをできている。資生堂といったコスメブランドなど、「ペイペイモール」独自のコンセプトに魅力を感じ、出店してくれる企業も着実に増えている。一方、モール単独としての認知度ではまだまだ至らないところがある。ユーザーの行動を分析すると、「ヤフーショッピング」内の掲載商品から「ペイペイモール」に遷移するという傾向が依然として強い。「ヤフーショッピング」と同等以上の認知度を得られるよう、グループ内サービスとも連携しての販促強化が今年の大きな課題だ。

――モールでの新たな施策は?

2020年12月には、50%OFF以上の割引商品などを集めた新企画「トクプラ」を「ヤフーショッピング」内で開始した。新たな販売スタイルの定着を目指した試験的な取り組みだ。開始の背景には、米国の「Wish(ウィッシュ)」など、「ローエンドEC」といわれる割引商品販売サービスの普及がある。世界的に一定の市場を確立している販売手法を国内でいち早く導入し、新たな需要の開拓を図っていく。

開始後、若年層を含む新規ユーザー購入など、想定を上回る好感触を得ている。明確な目的を持たず、宝探しのような感覚でサイトを閲覧し、発見を楽しめるサービスへと成長させていく計画だ。

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