2024.03.11

【創業60周年インタビュー <前編>】タンスのゲン 橋爪社長・工藤副社長「シフトチェンジと震災が契機」

橋爪裕和代表取締役社長(左)、工藤直也取締役副社長(右)


2011年は38億円の売り上げ


――タイミングを見定めて事業展開を続け、ネット通販黎明期で土台を作ってきた。その後はどんな成長だったのか?

橋爪:ネット通販を開始して以降、年を追うごとに成長していった。2011年には38億円を売り上げた。ただ、翌年の2012年は35億円と前年を下回った。

私と工藤は同期で、2012年の新卒で入社した年。余談だが、工藤が入社する時、高学歴の人材が入ってくると社内で噂になった。それほど当社にとっては驚きの出来事だった。

工藤:実は入社する数カ月前まで、大学院に行く予定だった。悩んだ結果、就職することに決めた。ただ、就職活動が終わるギリギリの時期だったこともあり、急ぎ足で動いて今の会社に入社することになった。


▲これまでの歴史を振り返る工藤直也副社長(左)


東日本大震災で経営危機に


――同期入社の二人が今ではトップとして会社をけん引している。当時の社内はどうだったのか?

橋爪:入社した2012年は本当に危険な年だった。

2011年に発生した東日本大震災の影響で、会社が急降下したことを鮮明に覚えている。その時の社内の様子は殺伐としていて、本当に大変だった。

新卒1年目の私たちですら、倒産するかもしれないと思うほど危険な状態だった。

工藤:東日本大震災の影響で、物流がパンクしてしまった。配送運賃が一気に5倍に跳ね上がり、同時に配送業者の労働環境改善も進んだ年だった。

東日本大震災の前は非常に安かった。それが、震災後、跳ね上がった分を販売価格に転嫁してなんとかしようとしたが、もちろん、高額になりすぎて全く売れなくなった。



【<中編>「売り上げゼロからの復活劇」】
https://netkeizai.com/articles/detail/11050

【<後編>「3本柱で売上高1000億円へ」】
https://netkeizai.com/articles/detail/11114






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