2024.03.08

【データに見る「ECの地殻変動」】<第24回>アマゾンの2023年流通総額は5.2兆円?


ECの第一想起の位置獲得


さて日本の数値を考察してみよう。売上高は260億200万米ドルと6.6%増であった。伸びが小さいように見えるが為替レートの変動分を反映すると2023年の売上高は3兆6548億円と13.8%増となる。

この数字をもとに2023年の日本におけるアマゾンの物販系ECのGMV(流通総額)を筆者なりに試算したところ約5兆2000億円となった。これも筆者試算だが2022年は4兆5000億円なので差し引き7000億円の増加だ。消費者のリアル回帰が鮮明な状況下、アマゾンは引き続き好調を維持している。

なお試算にはAWS、プライム会員料金、プライムビデオ視聴、広告売上など物販系EC以外の項目を除く必要がある。また自社売上高とマーケットプレイス売上高の比率およびマーケットプレイスの手数料率というパラメーター値の設定がGMV算出のポイントとなる点にも留意頂きたい。現段階では十分なデータが整っていないためあくまでも5兆2000億円は暫定的な速報値ではあるが、ほぼその近辺のGMV値で間違いないのではないかと筆者は見ている。

2023年のEC市場規模を14兆5000億円と仮置きすると36%という驚異的なシェアになる。アマゾンの強みは何か?物流面は言わずもがなとしてECで何らか購入する際アマゾンが第一想起となっている消費者が多いのではと筆者は思う(無論、楽天もそうだが)。

「ECで買おうかな」と言わず「アマゾンで買おうかな」と話す消費者は読者の周囲に結構いないだろうか。まさにECでの第一想起になっていることの証左だろう。この勢いがいつまで続くか注視したい。













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