2024.02.21

【データに見る「ECの地殻変動」】<第22回>自社ECはこれから大丈夫か?

本コラムの第19回「経産省EC市場調査から見えてくる真実」にてECモールのGMV(市場規模)が伸び、その反面、自社ECのGMVは減少していると述べた。

これを読んだ周囲の方々からは、「そうなのか!」といった驚きの声や、確かに現状から想像つくといった納得の声など、さまざまなコメントをいただいた。推計方法の違いで多少のブレはあるかもしれないが、どうやら自社ECの減少は間違いなさそうだ。これはインパクトのある話なので、あらためて考察したい。

2022年のEC市場全体のGMVは13兆9997億円。そのうちAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング、au PAY マーケット、Qoo10、ZOZOTOWNの合計GMVを再計算したところ10兆7000億円となった。自社ECは差し引き3兆3000億円となる。2021年のEC市場全体は13兆2865億円でECモールは9兆3000億円なので、自社ECは4兆円となる。つまり1年間で自社ECは4兆円から3兆3000億円へと7000億円も減少したのだ。



こうなると自社ECが伸びず困っているとの声が多く聞こえてきそうなのだがそうでもない。その理由はECモールへ掛け持ち出店・出品している事業者が多いからだろう。本紙の「2023年版ネット通販売上高ランキングTOP520」をもとに、自社ECのみ実施している企業数をカウントすると僅か27.9%。残り72.1%はいずれかのECモールを活用しているわけだ。つまり売り上げが自社ECからECモールにシフトし、トータルでは売り上げが落ちていない事業者は多いと思われる。

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