2024.02.21

【データに見る「ECの地殻変動」】<第22回>自社ECはこれから大丈夫か?


モール比率80%超へ


筆者試算のECモール比率は2020年から2022年にかけて65.9%、69.7%、76.4%と拡大している。コロナ禍でEC市場は活況を呈したが、収束後はリアル回帰によって、その反動がきていることは既知の通りだろう。しかし、そのような状況下でもECモールのGMVは着実に伸びているのだ。



消費者の購買行動の観点で捉えると、現在買い物する場合はリアルか、Amazon、楽天市場などのECモールかといったシンプルな二択のように筆者には見える。

このペースだと2023年のECモール比率は80%前後となる可能性が高そうだ。この事象をどう思うかについてはそれぞれ置かれている立場によって異なるだろう。

EC市場全体の観点では、ECモールだろうが自社ECだろうがGMVが伸びることは喜ばしい。

しかし、さすがにECモール比率が80%を超えて、それ以上伸びるとしたらどうだろうか。筆者はバランスの点が気にかかっており、ECモール同様に自社ECについてもがんばってGMVを伸ばしてほしいと思う。

自社ECの縮小で困るのはカート系の事業者だと思う。ところが各社各様の取り組みのためエネルギーが分散している感が否めない。ECモールが規定演技なら自社ECは自由演技。できる幅が広いことは周知のとおりだ。

リテール市場全体の活性化のために自社ECが本来的に担う役割は大きいと見る。一案に過ぎないがカート系事業者が集結して競合部分と協業部分を切り分け、後者については一体となって自社ECを盛り上げる妙手を打ってほしいと思う。










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