2023.12.19

【23年9月期に10周年】応援購入サービス「Makuake」、中山亮太郎社長「合格点を付けたい」

中山亮太郎社長


応援購入サービス「Makuake(マクアケ)」を運営するマクアケは2023年9月期で創業10周年を迎えた。中山亮太郎社長は「10年は早かった。10年前に実現したかったこと全ては実現できていないが、それでも合格点を与えられるレベルだ」と振り返る。中山社長に10年を振り返ってもらいつつ、マクアケの功績と、今後のビジョンなどを聞いた。



――率直に10年を振り返ってもらいたい。

10年、早かったと感じている。そもそもの話になるが、マクアケは2013年にサイバーエージェント内の新規事業としてスタートした。私と現在取締役を務めている坊垣と同じく取締役を務めている木内の3人で共同創業者としてスタートした。

10年前、10年後「このようなガジェットが生まれているといいな」「素敵なお店が増えているといいな」と思っており、実際に想定した商品や店舗が生まれている。当社としては、そのような次世代の商品誕生を後押ししたいと思っていた。流石に「どこでもドア」や「空飛ぶ自動車」のようなハイテクノロジーの商品は普及しておらず、当社もこの領域までは後押しできなかった。10年間を振り返って、満点はあげられないが、現在の「Makuake」の2023年9月期の流通総額は176億円と、ここまでの規模に成長できたのは、素直に「合格点」を与えていいと思っている。

――「Makuake」はクラウドファンディングではなく、応援購入という言葉をよく使用している。

この言葉も当社から「これでなければダメだ!」と言っているわけではないが、気になるブランドの商品を事前に購入して、その後、そのお金をもとに、商品を開発し、購入者のもとに届ける。まさに「応援購入」という意味合いで、多くの人にこの言葉が知れ渡り、嬉しく思っている。

――「合格点」を与えてもいいとのことだが、中山社長、ひいてはマクアケが目指す未来はどこなのか?

それは「世界をつなぎ、新しいものを作る、支える」ことを目指している。まだ、当社では世界をつなぎきれていない。ここは今後の課題と認識している。

「どこでもドア」のような商品が、未来で存在するためには、国の法律、そのような商品を待ちわびるユーザーのボリューム、技術など、これらの点を整えていかないと、恐らく普及しないのだろう。「瞬間移動で今まで10時間かかっていた移動時間が3分で済む」――。このような世界線を考えている人はいるはずで、世界中にいるけど、さまざまな点でつながっていないのだろう。改めてになるが、マクアケでは将来的には、こういった部分も整えていきたい。

――「Makuake」は応援購入という形で、ネットで事前に商品を購入する。この10年のネットでの消費者の購買行動の変化をどう見ているか?

まず説明が必要な商品でも、ネットで簡単に販売できるようになった。この10年でインターネットの普及は凄まじく進化し、結果としてECサイトで解像度の高い写真を使用したり、動画を埋め込んだりと、分かりやすくモノを伝えることが進化したなと考えている。

今まで実績のない商品でも、消費者の「心」を掴んでしまえば、購入してもらえるようになった。「商品製造の背景」や「作る工程」「製造地」などを理解したいという消費者も増え、単純にモノを買うというだけの関係値では済まなくなっている。「精神的なつながり」を重視する人が増えている印象だ。

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