2023.10.20

【データに見る「ECの地殻変動」】<第20回>インバウンド消費は越境EC市場にプラスか


押し上げ効果はない!?


推計のパラメータ設定は難しいが、筆者は1%以下と見る。仮に1%としても167億円。前述の通り全世界規模では4兆円なので僅か0.4%にすぎない。こう考えるとインバウンド消費による越境EC市場の押し上げ効果は、ほとんどなさそうに思える。

だが、そう結論付けるのは早計だ。というのも訪日によって日本の商品全体により強く好感を抱いてもらえれば、訪日時に買った商品かどうかは関係なく帰国後に何らかの商品を越境ECで購入してもらえるとの期待が頭をよぎる。

要するに購入商品のリピート購入を期待するといった目線では越境EC市場全体への押し上げ効果は限定的な一方で、オールジャパン商品というマクロ目線ではプラスの間接効果を期待できそうということだ。

もちろん訪日時に購入してくれた際に越境ECを案内するといった直接的なプロモーションも展開できるだろう。多くの外国人が時間とお金を使ってわざわざ日本を訪れてきているのだ。越境ECにつながる直接的、間接的な取り組みを大いに期待したい。












RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事