宮城県登米(とめ)市で精肉専門店を営む佐利は9月20日、「登米産仙台牛」をメインとしたECサイト「登米産仙台牛専門店さとう」をオープンした。ブランド牛である「仙台牛」の中で約4割を占める、登米産の牛肉を、ステーキ用やすき焼き用といった食べやすい形で販売しているという。
同社は創業70年を超える老舗の精肉店。5年前にふるさと納税サイトへの商品提供を開始した。好調だったことから、自社ECサイトの開設に踏み切ったという。「ふるさと納税は、多い月で1000件以上の注文がある。商品は名産でもある牛タンが中心だ」(佐藤利尚代表)と話す。
佐藤代表が「登米産」にこだわるのは、「登米市の活性化につなげたい」という思いがあるからだという。「登米市は年々人口が減っている。一方で、和牛の飼育頭数やコメの生産量などは、全国の市の中でも上位だ。こういった地域の名産品を生かし、地方を活性化していきたいと考えた」(同)という。
宮城県で育った黒毛和種のうち、A5及びB5ランクに格付けされた和牛が「仙台牛」と呼ばれ、その約4割が、登米産だという。「『仙台牛』という名称は、広く知られてきているが、その多くを占める登米市の存在はほとんど知られていない」(同)と話す。
▲人気のサーロインステーキEC開設後の初動では、ヒレステーキ用やサーロインステーキ用の牛肉が好調な売れ行きだという。販売している商品は、平均で1万円を超えているようだ。国産の牛タンなども販売しており、今後はアイテム数も増やす予定だとしている。「当社のECは、日用品のように頻繁に使ってもらえるサイトではない。まずはいい商品を売り、社名を覚えてもらうことが重要だと考えている。焦らずに、数年かけて、リピートしてもらえるサイトづくりを目指していきたい」(同)と話している。