UV印刷やOEM事業などを手掛けるシンクイノベーションは2021年2月、通販サイト「ビビット」を立ち上げ、アニメグッズの販売を行っている。
多くのアニメグッズとの差別化を図るため、オリジナルの絵柄でキャラクターを描いた「Mochocho(もちょちょ)シリーズ」を展開する。同社のデザイナーが書き起こしているイラストで、ファンが見たいシーンを設定にしている。MD事業部の金光俊典執行役員は、「サラリーマンや動画配信者など、『もしも、このキャラクターがこうだったら』という遊び心を踏まえた物も作っている。柔らかい絵柄は女性がターゲット」と言う。
これまで輸入販売事業や球団グッズなどのOEMなどを行ってきたが、自社で商品を作ったほうが幅広いニーズに対応できると考えた。印刷技術のノウハウや生産性に加え、在庫リスクをとらずに受注生産にするための新規事業として、アニメグッズの企画販売に乗り出した。
「MD事業部」が商品の企画や販売を行っている。事業の幅を広げるため、ライセンス取得の強化のための営業や、デザイナーなどの採用を行った。「出版社や映像関係でなくても、とにかくアニメや漫画に関わる仕事がしたいという人が多いと感じた」(同)。採用枠1人に対し、200人以上の応募があったという。
▲9月にはアニメ「進撃の巨人 The Final Season」の新商品の受注を開始UV印刷機が手に入りやすくなり、印刷企業が増えてきた。為替の影響で、アクリル関係の商品も国内で生産できるようになり、見合った単価で製造できるという。また、機械代やインク代の採算もとれているため、新規参入企業が増えているようだ。ファングッズや推し活グッズなど、さまざまな商品が出てきており、盛り上がりをみせている。
アニメグッズは大きくヒットするものもある。「何がヒットするのか分からない博打要素もあるが、アンテナを張りながら先を読むという、ビジネスとしての面白さがある」(同)と話す。