2023.04.28

【5年で売上30%の差?!】新規獲得が難しい時代に注目集まる『グロースマーケティング』の実力とは?


レベルアップを遮る壁とは?


しかしながらレベルを1から4まで上げていくには、さまざまな課題や壁が存在するという。

レベル1では、メール配信ツールを導入すれば、メルマガなどで全体配信を行うことが可能だ。



レベル2では、顧客データを用いたセグメント配信に挑戦しようとするものの、顧客データとメール配信ツールが連携されていないケースは多い。担当者は顧客データをCSVで落とし、属性でセグメントしたリストを作成して、それをメール配信ツールに投入して、配信を行うなど手間がかかる。

さらに、鉄板施策を実施しようと思っても、『カゴ落ち』などの代表的な鉄板施策は分かっても、他にどんな方法があるのか分からないEC企業も多い。

「レベル3では、購買履歴によるセグメンテーションが難しいことが課題になります。商品点数が1万点あるサイトでは、何万通りもの購買履歴があります。そこに組み合わせの購入や複数購入などが入ってくると、どんどん購買履歴は複雑化していきます。どんな切り口で購買履歴を分類すれば、売上が上がるようなセグメンテーションができるのかは非常に難しいです。チャネル拡大についても、メールやポップアップ、LINEなどのチャネルをバラバラのツールで管理しようとすると、同じ人に何度も同じ案内を送ってしまったり、どちらのチャネルの効果が高かったかも分からなかったり、となってしまいます」(生田氏)と話す。

レベル4の課題では、行動履歴が購買履歴よりもさらに複雑になることが挙げられる。コンテンツ作成においても、細かくセグメントを分けたとしたら、それに対応したコンテンツを作成する必要があり、リソースが足りないという状況に陥りがちだ。


レベルアップに必要なテクノロジーとは?


「これらの課題や壁を乗り越えるためには、テクノロジーを駆使して、効率的に進めることが重要です。顧客データとメール配信ツールの接続や、購買履歴のセグメンテーション、チャネル管理の改善、行動履歴に基づくターゲティングなど、各レベルでの課題を解決していくことで、より高いレベルのマーケティング戦略が実現できます」(生田氏)と話す。



レベル1からレベル2に上がるためには、CDPやBIなどのテクノロジーが必要だ。会員データやメール配信などを1つのツールで管理することで、新規顧客や既存顧客、アクティブ顧客や休眠顧客などのセグメントを手軽に分類でき、そのセグメントに応じたメール配信が行えるようになる。

鉄板施策についてはビービットが提唱する「鉄板施策5選」などの知見を活用することで、成果を上げやすくなる。

「レベル3に進むためには、購買履歴の分析が必要です。まずは初回と2回目の購入商品だけに絞って、お客さまに対するレコメンドを実施すべきです。そこで成果が出始めたら、さらに購買履歴に応じてセグメントを細分化していけば良いと考えています」(生田氏)と説明する。

チャネル拡大については、マーケティングオートメーション(MA)の活用が有効になる。メール、LINE、SMS、プッシュ通知などの各種チャネルを1つのプラットフォームから配信できるようにすることで、顧客に同じ情報が届かないようにしたり、効果測定が横並びでできるようになる。

「レベル4に進むためには、行動履歴を活用することが必要です。行動履歴と言っても幅広いですが、まずやるべきなのは商品の閲覧情報からセグメントを作成することが効果的です。また、コンテンツをOne to One(ワン・トゥ・ワン)で作るというのは、大変手間がかかりますので、AIを搭載したレコメンドエンジンの力を借りて、人間が作るコンテンツの量を減らしていくというのが重要になると思います」(生田氏)と話す。