2023.04.28

【5年で売上30%の差?!】新規獲得が難しい時代に注目集まる『グロースマーケティング』の実力とは?


「グロースマーケティング」の課題とは?


「既存顧客に向けた取り組みが大事」だと分かっているEC担当者は多い。ただ、実際に既存顧客向けのマーケティングで成果を上げることは簡単ではない。

既存顧客を細かくセグメント分けしてコミュニケーションを図ったり、理想をいえばOne to One(ワン・トゥ・ワン)でマーケティングしたりすれば良いのは分かっていても、それを実現するのは難しい。

細かくセグメントを分ければ分けるほど、それぞれのセグメントごとの施策の成果は絶対値としては少なくなる。それならば、結果的に全体配信を行うのが最適解だという意見もよく耳にする。

「この背景には、人手不足と知見不足があると思います。EC担当者は非常に忙しく、多くの業務を手掛ける必要があります。少数精鋭で運営しているケースも多いため、細かくセグメントを切って既存顧客向けに対応していくためのリソースが割けないと考えている企業は多いと思います。また、これまで新規顧客獲得に重点を置いていたため、CRMや既存顧客向けのコミュニケーション方法についての知見がまだまだ不足しているという声もよく聞きます」(生田氏)と説明する。



やりたくてもできないと嘆く企業に向けて、ビービットでは2つの処方箋を提案している。

「1つ目のキーワードが『Step by Step(ステップ・バイ・ステップ)』、2つ目が『テクノロジー活用』です。『Step by Step(ステップ・バイ・ステップ)』とは、大きな絵を描いて落とすビッグバンアプローチではなく、現在の状況を踏まえて少しずつステップを上っていくモジュールアプローチを指します。『テクノロジー活用』では、最新のテクノロジーを活用することで効率化や省力化を目指す方法のことです」(生田氏)と紹介する。




「グロースマーケティング」のレベルを上げる4段階とは?


具体的に「グロースマーケティング」を取り入れるために、4段階の成熟度を踏まえて、段階的にレベルを上げていくのが得策だという。




<成熟度レベル1「全体配信」>

レベル1では、獲得した顧客に対してメールなどのコミュニケーションを一律に行う。全員に対して、同じ情報を提供するのが全体配信の特徴だ。


<成熟度レベル2「デモグラターゲティング」「鉄板施策」>

レベル2では、全体配信に加えて、顧客のデモグラフィック属性(性別、年齢など)に基づいてセグメントを分けて配信を行う「デモグラターゲティング」や、ある程度成果が出やすいことが実証済みの手法(例:カゴ落ちリマインド、誕生日クーポン、ポイントリマインダーなど)で効果的にコミュニケーションを図る「鉄板施策」を行う。


<成熟レベル3「購買履歴ターゲティング」「チャネル拡大」>

レベル3では、「何を買ったのか」に応じて顧客のセグメントを分け、よく併売される商品を提案したりする「購買履歴ターゲティング」を行う。さらに、メール以外にLINEやポップアップなどで配信を行う「チャネル拡大」にも取り組む。


<成熟度レベル4「行動履歴ターゲティング」「コンテンツパーソナライズ」>

レベル4では、「訪問回数」「タイミング」「閲覧ページ」などのデータに基づいて顧客のセグメントを切っていく「行動履歴ターゲティング」を行う。加えて、ユーザーに応じて最適なコンテンツも提供する「コンテンツパーソナライズ」も実施する。



「皆さまが現在取り組まれている施策がどの成熟度レベルにあるのかを把握し、その成熟度を段階的に上げていくことが重要です。グロースマーケティングの成熟度が上がるにつれ、お客さまの体験が向上し、関心が高まり、最終的に購買行動へとつながる可能性が高まっていきます。このような段階的なアプローチにより、企業はお客さまのニーズに合わせたマーケティング施策を展開することができ、結果的に売上やリピート購入率の向上につながります」(生田氏)と説明する。

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