2022.12.16

【データに見る「ECの地殻変動」】<第10回>ライブコマース市場が日本でじわり拡大


日本のライブコマース市場規模は?


翻って日本はどうか。市場規模算出のリソースが乏しいのだが筆者独自の手法による予想では2027年ごろに最大で3000億円程度。ただ、これはポジティブシナリオに基づく最大値なので実際には2000億円ぐらいではないかと見る。

この値が大きいか小さいかは意見が分かれるところだろうが仮に3000億円としてもテレビ通販の市場規模の半分にも満たない。そう考えれば3000億円は決して高い予想値ではなく意外と現実的な数字のようにも思えてくる。



企業側からの目線で見てみよう。一顧客当たりの年間ライブコマース売上額を因数分解すると年間購入回数×1購入当たり平均購入金額という数式で表すことができる。ただし視聴回数が増えることが条件。

「眺めるだけ」の消費者も多いと予想されるためライブコマース版CVR(コンバージョンレート)という新たな指標による評価も必要に思う。ライブコマースを巧くやるためには検討が必要となるパラメーターは実は多いのではないかと気付く。


成功のための16要素


そう考えながら国内企業の取り組み事例を一つ一つチェックし筆者なりに整理してみたところCVR以外にも「開催ペース」「顧客への通知方法」「尺の長さ」「商品説明方法」「コメント対応」「1配信当たりの取扱商品数」「配信インフラ」「アーカイブ期間」など、うまくやるためには全部で16のパラメーターがあることが分った。

本コラムで書ききることはできないのが実に残念だがライブコマースには明らかに成功の法則があるとの確信を持った。

筆者はEC市場にはもっと沢山のイノベーションが生じてほしいと常々願っている。ライブコマースもいわば販売手法のイノベーションの一つ。

将来的な話だがメタバース時代が本格到来すると、ライブコマースには今とは違った変化が起きるかもしれない。要するにこれを起点に別角度の新たなイノベーションとの連鎖反応も期待できそうということだ。

そう思い始めるとライブコマースへのワクワク感が止まらなくなってくるのが面白い。












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