2022.11.14

【インタビュー】グラセル 谷村敏昭会長「アップサイクル素材に対応できる新製品を発表」

グラセル 谷村敏昭会長


――製品開発の面で新たな動きはありますか。

フリーブレンド工法を提案する第一精工舎とコラボし、自立型スパチュラ「STAND(スタンド)」を発表しました。当社ではこれまでも「グリーンナノ」をはじめ、「バイオマスプラスチック」「リサイクルプラスチック」「ガラス」「紙」「付け替え(リフィル)容器」「樹脂量削減容器」「メール便対応容器」「環境材対応の加飾」など、多様な側面から、エコ対応容器の提案を行ってきました。一方で、新会社「株式会社BEAUTYCLE(ビューティクル)」にも出資し、循環型リサイクルシステムの構築にも乗り出しています。

「STAND」に新たに採用したフリーブレンド工法では、樹脂をベースにさまざまな原料をブレンドし、新たな素材を作り出すことができます。そのため、混ぜる原料によって、エコに対する訴求を行うことが可能です。エコ容器の新たな選択肢としても、今後広げていきたいと考えています。

▲自立型スパチュラ「STAND(スタンド)」

――新製品の「STAND」についてより詳しく教えてください。

「STAND」は、「付属のスパチュラより、もっと大きなサイズのものを使いたい」「スパチュラは置き場所に困ることが多い」といった、ユーザーの声に応えた、自立型のスパチュラです。持ちやすさや大きさにこだわって設計しており、意匠登録も出願しています。材質として、PPやリサイクルPP、バイオマスPPも選べるのですが、加えて「STAND」では、第一精工舎のフリーブレンド工法による新素材という選択肢も用意しています。

「STAND」の材質としては例えば、廃棄されるもみ殻とPPをブレンドしたエコ素材を採用することが可能です。他にも、ホタテ殻やカキ殻、加工廃材をそれぞれPPとブレンドしたエコ素材の採用を提案できます。エコ素材というわけではありませんが、PPと銅をブレンドした素材も採用できます。銅をブレンドすることで抗菌効果を持たせることが可能になります。

いずれも樹脂量の削減につながりますから、エコ・SDGsに貢献します。オリジナルの原料をブレンドすることも可能です。

――今後の発展性として、化粧品容器への採用も期待できそうですね。

フリーブレンド工法の素材を、化粧品の容器にも展開可能かについては、試作や試験を進めながら、確認していきたいと思います。

――新開発の高付加価値容器についても教えてください。

エコ対応容器として、ガラス製の「KNK」を開発しました。重厚な底肉厚タイプで、高級感を演出できます。100ミリリットルと120ミリリットルの2サイズ展開となっています。再生ガラスを30%使用しています。ツーパーツ仕様のキャップ「KNK-44.5CAP」については意匠登録も行っています。外はPET、中はPPで、加飾の組み合わせにより多様な表現が可能です。


▲エコ対応容器として、ガラス製の「KNK」を開発

広口で背が低いワンタッチクリーム容器「BALM(バーム)」もお薦めです。こちらは、キャップを閉めた状態でも、宅急便コンパクトに入る高さで設計しています。内容物がバームならば100グラムの充填が可能です。


▲広口で背が低いワンタッチクリーム容器「BALM(バーム)」

面一(つらいち)の角型クリーム容器「TIROL(チロル)」も発表しました。50グラムサイズです。本体とキャップの両方が、PPの単一材質設計で、かつ樹脂量削減設計にもなっていますから、価格面での競争力もありますし、環境にも貢献します。


▲面一(つらいち)の角型クリーム容器「TIROL(チロル)」

――今後について教えてください。

今後は、国内外でさらに提案を強化していきたいです。9月にはタイで、「コスモプロフアジア2022」に出展しました。2023年5月には、上海で「チャイナビューティーエキスポ2023」に出展する予定です。


■グラセル
https://www.glasel.jp/






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