「井の中の蛙」と感じて奮起
――着実に売り上げを伸ばすことができた要因は?私は田舎のコーヒー店のせがれですので、何をやっても親の七光りと言われてしまいます。ゼロから自分で作ったのは、「楽天市場」の店舗が初めてでした。だからこそ愛着もあるし、売り上げも伸ばしたいと思いました。
月商が100万円を超えて、もっと上を目指したいと思い、「楽天市場」に出店している店長同士の勉強会に参加しました。すると自分の売り上げが一番下でした。「井の中の蛙なんだ」と実感し、もっと上を目指したいと思いました。
一昔前の田舎の企業では、パソコンで仕事をするのが邪道でした。店舗の営業時間中はパソコンには触れず、朝9時から夜9時まで店舗で働き、掃除をして家に帰ってから、お風呂に入り、ごはんを食べた後にパソコンに向かっていました。いつも明け方5時くらいまで「楽天市場店」の店舗運営を行っていました。その生活を3年は続けていました。
当時、そのような2代目の店長がたくさんいたと思います。皆、意地だけで取り組んでいました。
――店長同士の交流も刺激になったのですね?他の店長を見て、月商100万円や200万円で満足していてはダメなんだと思いました。当時は店長同士が参加するメーリングリストがあり、皆が日報を送り合う文化ありました。終業時に日報を送るのですが、誰が最後に日報を送るかで競い合っていました。私が夜中の3時に送っても、さらに遅く4時に送ってくる店長がいて、自分よりも働いている人がいるのだと思いました。店長は孤独なので、そういう形でお互いに刺激し合っていたのだです。
――成長を続ける中で大変だったことはありますか?おかげさまで多くのお客さまに利用していただくようになり、月に多いときは10万件の注文をいただいています。その規模になると、コーヒー工場を運営していかないといけないフェーズになります。
▲レギュラーコーヒーも人気商品1人で始めた「楽天市場店」の運営ですが、現在では正規・非正規合わせて160人のスタッフが働いてくれています。そのスタッフへ的確に指示して、お客さまのご注文をスムーズに回していくか、というのはなかなか大変です。
――そこまで店舗運営に時間や労力を掛けられる原動力は?田舎のコーヒー店はお客さんを待っていても売り上げは伸びません。私も飛び込み営業をしたり、スーパーに営業に回ったりしていました。
ECでは、お客さまに思いを伝えれば、買っていただくことができます。最初の買ってもらえなかった経験が根底にあるので、買ってもらえたらうれしく感じます。
何より私が欲張りなので、1人の「おいしい」より100人の「おいしい」がほしいですし、100人の「おいしい」がもらえたら、次は1万人の「おいしい」がほしくなります。
担当ECC(ECコンサルタント=店舗を担当する楽天の社員)の大久保峻さんからも、「昨対で+10%いきましょう」と逃げ道をふさいでくれます。今では「楽天市場店」だけで年商30億円を超えています。次は35億円を目指さないといけないので、かなり大変ですが、それを実現できるのが「楽天市場」だと思っています。
「澤井珈琲 Beans & Leaf」https://www.rakuten.co.jp/sawaicoffee-tea/「楽天グループ25周年特設ページ」https://corp.rakuten.co.jp/event/anniversary25th/