2022.03.30

ネットショップ構築「おちゃのこネット」、中国向け越境EC支援を開始 「WeChatミニプログラム」を活用

おちゃのこネットは3月29日、ネットショップ構築サービス「おちゃのこネット」において、テンセントが提供する「WeChatミニプログラム」を活用した中国向けの越境EC支援サービスを開始した。越境ECに関心を持つ企業のニーズに対応を図った。

おちゃのこネットは、中小規模事業者のエンパワーメント企業として、誰でも簡単にネットショップを開設できるシステム「おちゃのこネット」を提供。2004年のサービス開始から、延べ9万事業者がネットショップを開設し、約半数が5年以上利用している。2022年1月には、月額0円でショップ開設できる「スタートアッププラン」をリリースし、トレーディングカードなど商品点数の多い商材、食品系、ハンドメイドを扱う事業者の利用が増加している。

3月29日には、中国のECマーケットに参入するための越境EC支援サービスの提供を開始した。「おちゃのこネット」を利用する事業者であれば導入できる同サービスでは、「WeChatミニプログラム」を活用した越境ECの開設をサポートする。

「WeChat」は、テンセント社が開発提供しているメッセージアプリで、中国、マレーシア、インドネシアなど10億人以上のユーザーが利用している。「WeChatミニプログラム」は、アプリ内アプリを指し、乗り換え案内や各種チケット予約、ゲーム、ショッピングなどが、他のアプリを開かずに「WeChat」内で完結できる点が特徴となる。ショッピングは、ゲームや生活サービスについで人気のあるプログラムとなっており、多くのEC運営事業者が参入している。

「おちゃのこネット」の越境EC支援サービスでは、「WeChatミニプログラム」の制作(アプリ内で動くネットショップのページ制作)は、トリオシステムズ社が担当する。トリオシステムズは、「WeChatミニプログラム」の導入は、スマホアプリでの越境ECショップ開発・運営に比べ、開発期間・コストともに大幅に削減可能であり、10億人の「WeChat」ユーザーの流入が見込め、高い集客効率が期待できるとしている。また、日本円で受け取れるクロスボーダーWeChatPay決済を利用することもできる。


▲WeChatミニプログラムの活用イメージ(トリオシステムズ社より引用)

「おちゃのこネット」の2021年度の流通総額は、前年15%増の482億円だった。売上ゼロの実質休眠しているショップが少なく、2021年末時点のアクティブショップ数の割合は約8割(78.3%)だった。年商1億円以上のショップは同年76件あり、新型コロナ以前から当該ショップ数は毎年増加している。売上規模の大きいショップ事業者は、越境ECに関心を持っているということもあり、マーケット規模が魅力的な中国向けの支援サービスの立ち上げに至ったとしている。

9万件以上のショップ事業者を支えてきた「おちゃのこネット」は、ショップの成長、事業規模に応じて必要なカート機能、支援メニューは異なるとし、それぞれの要望に応えるべく、2020年には「デザイン制作プラン」、2021年には「カート離脱フォロー」「おちゃのこプレス(メディアリレーションサービス)」、2022年には「スタートアッププラン(月額0円プラン)」「中国越境EC支援」をリリース。これからも引き続き、ヒット商品やショップの成長しやすい環境と必要な支援メニューを提供していきたいとの考えを示した。今後は新カート機能、売上分析ツールのリリースを予定しているほか、並行して産学連携で商品情報を使った自然言語処理の研究を進めており、長期的な視点での取り組みも進めるとしている。



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