【ECソリューションマップ2022「越境EC編」】海外発送代行大手のBENLY(ベンリー)は、コロナ禍に越境EC市場が拡大する中、事業を急拡大している。海外発送代行の支援店舗数は2万店舗を超え、流通総額も昨対比で5倍以上伸びている。多様な支援メニューを持つ同社だが、近年は完全ノーコストで越境EC対応を実現する「BENLY Express バナー(海外転送サービス)」の提供に注力している。越境ECの最初の一歩を後押しするサービスで、国内EC事業者の海外展開をより多く支援したい考えだ。
「BENLY Express バナー」はECサイトにタグを設置するだけで、越境EC対応が完了するサービスだ。タグを設置すると海外ユーザーがECサイトに訪問した際、自動的にバナーを表示する。海外では、自国以外のECサイトで買い物をする際に海外転送サービスを利用するのは当たり前で、ECサイトが転送サービスを導入しているか否かで、そのサイトの信頼性を確認するほどだ。海外ユーザーはBENLY Expressに登録したのち、BENLY Expressの私書箱住所を利用して注文や配送手続きを行う。EC事業者は注文情報を確認後、BENLYの国内倉庫に発送するだけで良い。バナー導入のための初期費用、月額費用は無料。販売時の手数料もかからない。
▲ノーコストノーリスクで越境ECを支援「バナー導入店舗さまは、国内の顧客に対応するのと変わらないフローで海外ユーザーに販売できる。当社は海外ユーザーから手数料を徴収しており、店舗側から費用はいただかない。面倒な関税手続き、インボイス発行の手間や費用も不要。海外ユーザーからの問い合わせにも当社で対応している」(中瀬浩之社長)と話す。
マーケティングやEC構築も支援
「BENLY Express バナー」導入店舗のマーケティング支援も行う。同社は十万人以上の海外ユーザーとのつながりがあり、バナー導入店舗の情報を配信している。日本に興味がある海外ユーザーにバナー導入店舗の情報を伝えることで、新規顧客の獲得を支援する。
さらに同社は外国人向け短尺動画特化メディア「Wanderlist Japan(ワンダーリストジャパン)」を運営しており、希望する店舗には有償で動画プロモーションを提案することも可能だ。「Wanderlist Japan」はインスタグラムで約5万5000人のフォロワーを持ち、配信した動画は20万〜80万回も再生されている。
同社は「BENLY Express バナー」だけではなく、国内外に対応したECサイトの構築から、海外向けのマーケティングや物流、顧客サポートまで支援できる。Shopify(ショッピファイ)パートナーとして「Shopify」を基盤としたECサイト構築でも多数の実績を築いている。
「将来的には国境を意識することなくEC展開できる『ノーボーダーEC』という考え方が当たり前になる世界を実現させたい。『越境ECは大変そう』『コストがかかる』というイメージを払拭し、国内のEC事業者がもっと世界へ進出しやすいサービスを提供していく」(同)と思いを語る。
BENLYhttps://benly.co.jp/