2022.03.05

老舗みりんメーカー「九重味淋」、創業者宅を起点にOMO推進 体験を提供、顧客拡大

創業者の自宅を改修


2018年に、みりんを使用した菓子、食品、ギフトを販売する直売店「石川八郎治商店」と、みりんを使用した料理を提供する「レストラン&カフェK庵(ケーアン)」を開店した。「レストランでは、イタリアン、和食、デザートなど、多様なメニューを用意。顧客の若返りを狙った」(同)と話す。

直売店とレストランを開店後、全国から新規顧客が来店している。みりんに特化した老舗メーカー企業の新たな取り組みが珍しく、NHKや中京テレビ、東海テレビなどからのオファーも届いた。メディア露出が増えるとともに、新規顧客数も増加した。

店舗への集客が奏功し、コロナ禍でもECサイトへの流入数、購入率、オンラインイベントへの参加率は安定しているという。2018年以降、EC売上高は毎年10~20%ほど増加している。2021年10月―2022年3月(中間期)の売上高も前年同期比20%増の見通しだ。

2020、2021年は蔵開きというみりん蔵の内部を見ることができるイベントをオンラインで開催した。初めてのオンライン開催だったが、3000人の参加者が集まったという。

「データは開示できないが、店舗へ来店していた既存顧客がイベントに参加してくれて、ECサイトで商品を購入してくれた」(同)と説明する。

今後は、さらに若い人にみりんと同社を知ってもらうため、自社商品のみりん「九重櫻」を使用した「みりん屋さんのバームクーヘン」の販売に力を注ぐ計画だ。


「九重味淋オンラインショップ」
https://www.kokonoe-shop.com/





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