【ECソリューションマップ2022「ECモール&プラットフォーム編」】
楽天グループ(楽天)が運営するECモール「楽天市場」は、コロナ禍2年目の2021年も流通総額を伸ばしている。「楽天経済圏」の強みを発揮し、獲得した新規顧客を着実にリピ―ターにつなげている。EC市場でさらに影響力を増す「楽天市場」の展望について、執行役員コマースカンパニーCOO&ディレクターの野原彰人氏に聞いた。
――2021年の「楽天市場」の実績は?
全体的なトレンドでいうと引き続き絶好調だった。当初、われわれが考えていた以上の結果になった感じだ。コロナ禍の1年目は巣ごもりの特需があり、上り調子だったが、2年目は特需要因が剥落し、もしかしたら成長が鈍化してしまうのではないかという不安もあった。
そうならないためには、お客さまをリテンションできるかが大切だった。結果的には新規顧客が着実にリピーターになった。「楽天スーパーセール」ごとに流通総額が前年を超え、底堅い動きになっていった。フェーズが一段上がったと感じた。
――リピーターにつなげられている要因は?
「楽天市場」とその他のサービスとのクロスユース率が確実に伸びている。1ユーザーが3サービス以上を使うようになり、クロスユース率がどんどん上がっている。
クロスユース率の増加は、SPU(スーパーポイントアッププログラム)の効果が大きい。さらに0と5の付く日のキャンペーンがユーザーに定着してきたことも大きいと考えている。「楽天市場」で買い物をする行動様式がユーザーに根付いてきたと感じる。そうなるとキャンペーンを打たなくても「楽天市場」に来てくれるようになり、シーズンごとに実施するキャンペーンへの参加も増え、そのメリットも理解してくれるようになった。出店者も売れる売り場に在庫を寄せるようになるので好循環が生まれる。