2021.10.18

メルカリとアイスタイル、化粧品の二次流通市場を調査 一次流通への消費喚起効果は年間205億円に

国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授 山口真一氏(左)、アイスタイル 代表取締役社長兼CEO 吉松徹郎氏(中)、メルカリ 執行役員 メルカリジャパン CBO 兼 CMO 野辺一也氏(右)


【「一次流通の活性化に向け、メルカリ・アイスタイルが目指すこと」パネルディスカッション内容】

CtoCを活かした豊富な品揃えが、メルカリを“新たな選択肢”に


野辺氏:「メルカリ」においては、化粧品/コスメをはじめ、あらゆる商品カテゴリーでトライアル消費の選択肢が出てきている。お客さまにとって良い選択肢になってきている実感がある。

吉松氏:アイスタイルとメルカリでは、コロナ禍以前より化粧品/コスメの二次流通の可能性を考えていたが、その仮説が裏付けられた。化粧品/コスメは、商材によって流通が異なり、一カ所で様々なアイテムを試すことが難しい。アイスタイルではそれを改善するために様々なサービスを展開してきているが、BtoCの枠に収まっており品揃えには限りがある。その点、CtoCである「メルカリ」では品揃えの可能性がもの凄く広がっていて、生活者にとって大きな選択肢になっていると確信している。


パネルディスカッションの様子


化粧品/コスメの二次流通をより安全にする取組みを推進


野辺氏:現在、化粧品の小分けをはじめガイドラインで禁止出品物を指定しており、排除していく取り組みに努めている。メルカリでは「バーコード出品」機能も提供しているが、今後、化粧品/コスメ等商品の透明性を高めるためのテンプレートを用意して、ロット番号や使用期限をもとにお客さまが商品を選べるようにしていきたい。

勝並氏:化粧品/コスメの使用期限を知らない方はとても多い。出品時に正確な情報を伝えられるようにすることで、より安全で便利になると思う。


トライアル消費は“0.5次流通”、メーカー・ブランドの新規顧客獲得に寄与


吉松氏:二次流通の可能性について仮説を立てていた時にも考えていたが、化粧品/コスメのトライアル消費は、二次流通というよりも、一次流通の前にある“0.5次流通”と呼んだほうが正しいのではないか。これまで、「二次流通の規模が拡大すると一次流通で売れなくなる」「二次流通は安全を保証できないのでメーカーとして支援できない」と言う方が多くいた。それでも、化粧品/コスメを便利に試せる場として「メルカリ」が選ばれているのであれば、それは止めるべきではないと考えている。二次流通を、一次流通市場に拡大に寄与する“0.5次流通”として捉え、活用することで、新しいお客様との関係構築につながっていくのではないか。購入者も若い人だろうという印象を持っている人も多いが、実際は40代、50代も同様に多いこともデータでわかっている。普通に選ばれているのでどうつなげていくかが大事。

野辺氏:お客さまの購入体験を考えると、一次流通・二次流通を区別して商品を買っているわけではないと思っている。「メルカリ」の月間利用者数は2000万人を超えており、これは国内人口の6人に1人が利用している計算になる。そのため、二次流通を活用する人に対して「中古を利用する人」とステレオタイプな見方をするのではなく、一次流通・二次流通の境なく商品を買っていることを前提として考えたほうがよいはずだ。今後、メルカリと「@cosme」のデータを連携することで、従来とは異なるお客様像の把握や、より効率的なターゲティングが実現できると考えている。



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