2024.01.22

【EC事業者に聞く!2024年の展望】cotta 黒須綾希子社長「より健康に配慮した商品がブームに」


製菓材料のEC事業を展開するcotta(コッタ)の黒須綾希子社長は、2024年の製菓・菓子業界について、「より健康に配慮した商品が消費者から求められるようになる」と予測する。黒須社長に2023年の製菓材料EC業界を振り返ってもらいつつ、2024年の展望などを聞いた。



2023年は苦戦した1年だった。コロナの巣ごもり需要の高まりも落ち着き、外で食事をしたり、買い物をしたりする人が増えた。自宅でお菓子を作る人が減少し、業界としては、日持ちするお菓子、特に焼き菓子などを作ることを推奨した。

個人的な肌感だが、お菓子を作るマーケットは現在、下げ止まったと捉えている。コロナ禍で、お菓子作りにおける「ライト層」が参入してきたが、この層がすでに離れてしまった。その一方でコアなファン層は未だ顧客として残っている。

そのような人は健康感度も高く、米粉やグルテンフリー(小麦粉不使用)などへの関心も高い。これからはこのようなマーケットが新たな市場として広がっていくのではないだろうか。

2024年も健康に配慮したお菓子作りの需要は高まるとみている。当社のECサイトの人気レシピを見ると、少し前からカラフルな写真映えするようなお菓子から、シンプルで素材の味を楽しむような素朴なお菓子が好まれるようになった。カラフルなお菓子を作るために必要だった、合成着色料の売り上げは大きく落ちている。

2024年もこのトレンドは継続し、健康に気をつけているお菓子などが求められるようになるだろう。このことに加えて、近年の原材料高騰問題も、健康を後押しするきっかけになる。

百貨店のショーウィンドーを見ると、確かにまだ色鮮やかなスイーツが多いが、今後はやはり自然な色で健康に良い原材料を使用しているスイーツが増えていくと推測する。

当社では、果物などの原材料を使用した自然な着色料を販売している。少しずつ「健康で美味しいお菓子」に風潮が変更していくはずだ。

確かにまだグルテンフリーやビーガン(動物性不使用)などの商品は、消費者の間に浸透していない。今後、どこかでブレークスルーが起きないといけないと感じている。

そのためには国が補助金を出して支援を行ていく必要がある。

2023年はバター不足が起きた。そのタイミングで、乳原材料フリーでかつ健康に良い商品の存在を伝えたことで、「ソイレブール」という豆乳クリームバターが大ヒットした。

2023年の「ソイレブール」の販売数は2022年と比較して3倍以上になった。タイミングよく露出を図ったことや、それに伴って「こういうレシピに向いている」「ソイレブールを使用すると原価がいくら安くなる」などの提案に努めたことが良かった。

今後も消費者のニーズを捉え、タイミングよく有益な情報を届けることを徹底したい。





RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事