2024.01.19

【EC事業者に聞く!2024年の展望】クラダシ 関藤竜也社長「仕入れ、OMO、イベントに注力」


ソーシャルグッドマーケット「Kuradashi(クラダシ)」を運営するクラダシの関藤竜也社長は、「2015年9月に、『国連持続可能な開発に関するサミット』が米国で開催された。ここで、『我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ』が、世界各国の政府によって採択された。これは2030年までを目標としており、現在もう折り返し地点に来ている」と話す。関藤社長に事業の振り返りと、今後の注力点、国内で「SDGs」の取り組みを行う企業が今後増えるために必要なことなどを聞いた。



当社は食品ロス(本来まだ食べられるにも関わらず廃棄されてしまう食品のこと)を取り扱うECサイト「Kuradashi」を運営している。メーカーから生まれる食品ロスを協賛価格で買い取り、自社ECサイトや実店舗などで販売している。

そのため、少し他の食品EC事業者とは異なるところがある。食品EC事業者は消費者のオフライン回帰などで、減収に陥ることもあったが、当社はその影響はあまりない。どちらかというと、食品の値上げが、売り上げの減少に直結した。

食品の値上げに関しては、値上げ前に小売側が在庫確保に注力するため、メーカーや卸の在庫処分が進む。そのため1次流通の回転が上がり、1.5次流通である当社への流通が減少してしまうのだ。

2024年の展望としては、どれだけ商品の在庫を確保できるかが鍵を握る。実際に現在、この在庫確保に注力しており、2023年10‐12月期(純第2四半期)は復調傾向にある。今後も引き続き在庫確保に注力していく。

このほか、2023年5月に神奈川県横浜市青葉区の商業施設「たまプラーザテラス」に初めて出店した常設店舗とECサイトとの連携を強化したり、引き続きイベントを実施したりしていく。

食品ロスの食材を使用した「おせち」をECサイトと店舗で販売し、多くの人からの購入を目指す。

また、昨年「Kuradashi」で取り扱っている企業を、常設店舗に呼んで、イベントを行ったり、2023年10月の食品ロス削減月間には、「SDGs」に貢献する企業を呼んで、食のサステナビリティ共創・協働フォーラムを開催したりした。今後も企業を巻き込んだイベントを実施して、消費者に「SDGs」「食品ロス」「クラダシ」の認知拡大に努めていく。

「SDGs」の達成目標期間も30年までとされており、もう折り返し地点にある。

「SDGs」で収益性をきちんと担保するビジネスモデルはそう簡単ではない。個人的に日本政府が「SDGs」を行う企業を支援したりしないと、なかなか成功企業は現れないと思っている。そんな中、今年以降、当社はどこかの企業と手を組んで、社会に新しいイノベーションを起こしていきたい。






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