2024.01.17

【ECモールに聞く!2024年の戦略】『Qoo10』金載敦氏「2024年はオフライン展開を強力に推進」

eBayJapan マーケティング本部 本部長 金載敦氏


eBay Japan(イーベイ・ジャパン)が運営する「Qoo10(キューテン)」は、流通総額において2023年も2桁成長を遂げた。主力のコスメに加えて、ファッションEC「MOVE(ムーブ)」が高成長している。食品などの商品カテゴリーも大きく伸びているという。2024年はオフライン戦略を強化し、リアルイベントとの連携を強化するだけではなく、自社でリアルの拠点も開設する計画だという。2024年も高い成長を計画している「Qoo10」の戦略について、マーケティング本部 本部長 金載敦氏に聞いた。



――2023年の実績は?

2023年3月ごろからコロナ禍が終わってきて、EC企業は苦労したと思う。「Qoo10」としても挑戦ではあったが、2023年も流通総額は2桁成長を実現している。

2023年も主力のコスメカテゴリーが成長を継続できた。2022年から注力しているファッションECサイト「MOVE」も2023年は大きく成長し、流通総額は前年比4~5倍に伸びている。

競合他社よりもインフルエンサーマーケティングやライブコマースなどに力を入れており、お客さまから良い反応をいただいている。

――ライブコマースはどのように強化しているのか?

ライブコマースは2021年9月からスタートしており、最初は週1回のペースだったが、最近は毎日のように実施している。「Qoo10」がすべて準備して実施する公式チャンネルもあれば、出店しているブランドが実施するブランドライブ、インフルエンサーが実施するインフルエンサーライブなどさまざまなチャンネルを組んでいる。

ブランドライブはすでに大きな実績を上げている。「メガ割」期間中に実施したライブでは、1分間に1000個売れたケースもある。「Qoo10」が認定した約100人のアンバサダーが出演するライブも結果が出始めている。2024年はもっと大きな成果を上げるだろう。

カテゴリーも最初はコスメが多かったが、最近はグルメやファッションなどを販売するライブコマースも増えている。

――商品を無料で配布できる「サンプルマーケット」の利用店舗は増えているのか?

利用店舗が増えている。今から申し込みすると2024年の第2四半期(4‐6月)に実施できるかどうか、待たないといけないほどの人気だ。1度参加した店舗のリピート利用が多い。

新商品の認知拡大や口コミ拡散、レビュー獲得といった目的で利用している。「サンプルマーケット」で口コミやレビューを獲得することで、その商品のコンバージョン率が向上している。

さらに日本では、商品を無料でもらったユーザーがその後、その商品を購入する確率が高いことも分かった。私は海外も含めてEC業界で25年の経験があり、そこで持っているデータよりも2、3倍高い確率だった。「サンプルマーケット」はただ、無料で商品を配るイベントで終わりではなく、購入促進につながる手法だとブランドに浸透してきている。

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