――「au経済圏」とシナジーを発揮する取り組みは?KDDIグループが実施しているクレジットカードを強化する取り組みや、「auマネ活プラン」のような通信と金融を掛け合わせた取り組みなどとコラボレーションしている。ポイントをフックに利用を促進したり、継続利用を促したりしている。
店舗さまを取り巻く状況としては、物価高や送料などのコスト高の影響で、利益を生み出しにくくなっていると思う。その中でも売り上げを伸ばしたいという店舗さまのニーズは感じている。
その状況を考えると、あまり手間暇をかけた店舗運営というよりは、できるだけ効率的に効果を上げたいというニーズがかなり強まっていると思う。メルマガを1件ずつ手書きで作成するというよりは自動化を進めたり、ある行動をとったお客さまに自動でクーポンなどを提供したりするようなことが求められている。そういった機能を強化するとともに、その機能をどう使いこなすといいかをお伝えさせていただいている。自動化機能の利用率は確実に高まっている。
お客さまに向けては、ターゲットや目的に合わせた特徴的な売り場を作りながら、店舗さまにはニーズに合う売り場で販促していただく取り組みも強化している。
――具体的にはどのような販促を実施したのか?例えばタイムセールでは、ただタイムセールを実施するのではなく、お客さまにとってベストなタイミングでベストな商品を紹介している。「超還元セレクト」という、値引きしづらい商品を集めて、ポイントで大きくお返しするような企画もある。グルメでは、品質もレビューも高い商品を集めた企画を組んだりしている。大型販促と掛け合わせて、さまざまな企画をお客さまに提案している。
今後はもっと細かくセグメントを切り、「〇〇の日」というようなアプローチを実施することも検討している。テクノロジーを活用しながら、店舗さまが手間暇かけなくても販売できる機能や売り場をさらに強化していきたい。
――販促の自動化に注力しているのか?店舗さまにご利用いただく自動化ツールに加えて、われわれからお客さまに送るマーケティングオートメーションのようなアプローチもある。アプリではタイムラインで情報を提供しており、SNS向けの情報配信も今後、増強していく。お客さまとのコミュニケーションタッチポイントを積極的に増やしている。
――2024年、特に注力する機能やサービスは?お客さまとのコミュニケーションの最適化は終わりがないと思っている。体験価値を高める取り組みは追及し続けないといけない。例えばクーポンを一つお届けするにしても、それを使えるお店や商品を分かりやすく、使いやすくすべきだと考えている。
シーズンごとのイベントについては、できるだけ早いタイミングから店舗さまにご参加いただき、手間暇かけずに商品や価格を仕込んでいただけるように、企画のリードタイムを長めにとっていきたい。
まだ時期はお伝えできないが、将来的にサイトの大々的なリニューアルを計画している。メインであるサイトやアプリのトップページの見た目を大きく変えるだけではなく、検索やカテゴリー、商品ページのデザインも変える。レコメンドやパーソナライズを用いた提案を強化したり、店舗さまが望むクロスセルやアップセルを商品詳細ページでできるようにし、お客さまの選択の幅を広げたりするようなことも実現したい。かなり広範にデザインを刷新したり、機能を改善・改修したりすることになるだろう。