2024.01.19

【有識者に聞く!2024年のEC市場展望】キレイコム 上田直之社長「ベトナムは見逃せない市場に成長」

テーマ:「越境EC」


中国向け越境ECサービスや中国進出コンサルティングなどを行うキレイコムの上田直之社長は、ベトナムに大きな可能性があるという。中国や米国に比べると大きな市場ではないが、今後、市場が急速に拡大する見通しだ。上田社長にベトナムの現状とこれからの可能性について聞いた。



近年、個人的に魅力的な市場だと思うのがベトナムだ。アジア開発銀行によると、2023年のベトナムのGDP成長率は5.8%に達し、東南アジアで最も高い成長率になるという。

2023年1‐9月期のベトナムにおけるEC市場全体の総収益は63兆VND(約3390億円)に達し、前年同期比54・2%増の成長率を達成した。このことから、ベトナムは次に来る、いやもうすでに”来ている”市場となっている。
 
ベトナムでは、ライブコマースが活発化している。12時間で6000万円以上売れた商品が出たり、約27万円のスクーターが50台(合計1350万円)売れたりと、とにかくライブコマースでモノが売れる。

ライブコマースの実績などを見ても、少し前の中国のライブコマース文化と似ているなと感じている。コロナ前、コロナ初頭の中国のライブコマースは、とにかく多くの人が次々とライブコマースでモノを購入していた。現在のベトナムはそれに近いのだ。最近のベトナムの消費者は買い物が好きで、とにかくネットなどで商品を購入することを楽しんでいる。

今の中国はなんでもかんでも売れる時代ではなく、中国版SNSアプリ「小紅書(RED=レッド)」でユーザーから口コミを書いてもらい、信用を高め、それなりのマーケティング費用をかけなければ、中国ではモノがたくさん売れない時代になっている。

ベトナムはまだそこまでではない。KOL(キーオピニオンリーダー)を活用する必要はあるが、それだけでもしかしたら大きく売れるかもしれないのだ。厳密に言うとベトナムでのEC販売は薬事申請を行った上での展開になるため、現地ECとしての販売になる。

だが、市場としては魅力的で「単発でとりあえず海外販売に挑戦したい」という日本企業にとっては挑戦してみる価値は高い。KOLの費用も詳細は詳しく伝えられないが、それでも比較的安価で活用できる。十分、売り上げとKOL費用がけんかしない、費用対効果も良く、商品をライブコマースで販売することができる。











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