化粧品OEMの
実正は、高い付加価値を備えた化粧品の開発に強みを持つ。直近では、「ナイアシンアミドを10%以上高配合した美容クリーム」や「塗布後2時間で効果を実感できる即効性シワ改善ジェル」の開発に成功したという。同社の角谷昭博営業部長に話を聞いた。
――御社では、付加価値の高い化粧品の開発に日々取り組んでいると聞きますが。当社程度の規模の企業が、大手OEM会社と似たり寄ったりの化粧品ばかりを開発していては、とても太刀打ちできません。特徴のある、差別化された、付加価値の高い化粧品の開発に日々挑戦しています。
ーー最近の開発品目について教えてください。直近では、ナイアシンアミドを10%以上と高配合した美容クリームの開発に成功しました。現在、安定性に関する最終チェックを行っているところです。
ナイアシンアミドは、シワ改善・美白効果を持つ医薬部外品の主剤としても、近年注目されている成分です。美容液ならばいざ知らず、クリームでここまでの高配合を実現したものは、なかなかないと思います。ナイアシンアミドはもともと、レチノールなどと比べて、刺激性がそれほど強い成分ではありませんから、高配合しても、特に問題はありません。高配合クリームについては、化粧品として販売していただくことを想定しています。
――どうやって開発したのですか?液晶乳化技術を応用することで、高配合が可能になりました。
当社では以前から、肌の細胞間脂質に類似したラメラ液晶構造を再現できる、ラメラ液晶乳化の技術を持っていました。この技術を応用することにより、セラミドの原末を1%以上安定的に高配合した「セラミド導入クリーム」の開発にも成功していました。
今回は、この技術を、ナイアシンアミドの高配合に応用。10%以上の高配合に成功しました。
ナイアシンアミド10%超配合クリームは、ラメラ液晶構造になっているため、①肌なじみよく角質層の隅々まで成分を浸透させ、潤いを逃さずハリのある肌に導く ②皮膚のバリア機能を向上させる――といった働きも期待できます。
高い付加価値を感じていただける化粧品と言えると思います。
――他にも、最近の開発品はありますか?「即効性のシワ改善ジェル」の開発にも成功しました。塗布後2時間という短時間で改善効果が実感できるというのが特徴です。こちらは、今夏から提案を行っており、すでに採用企業も決まってきています。
――のりのように、固めることによってシワ改善効果を得るというコンセプトですか?そうではありません。肌に塗布することによって、NMF(天然保湿因子)が増加し、自然な形でシワ改善へと導きます。
複数種類の植物エキスを最適な比率で配合することにより、高い効果を持つジェル製品の処方を開発することができました。当社の独自素材である「超臨界抽出久慈琥珀エキス」なども配合しています。
当社の研究者が2~3年の開発期間をかけて完成させた処方となります。開発した研究者も「こんなに短時間で効果が実感できる処方は、40年の開発人生の中で、一度も見たことがなかった」と驚くほどの即効性です。男女の社内モニター計5人に半顔ずつ塗布してもらったときにも、全員が即効的な効果を実感していました。「小じわが薄くなった」という人が多かったです。私自身も効果を実感した一人です。
――塗ったときのマッサージ効果などで効果が得られたのではないですか?私自身のことでいうと、それはないですね。目の下のシワの部分に塗ったのですが、塗った直後に、シワの変化はありませんでしたから。その後、2時間程度で、細かいシワが見えづらくなったと感じました。
――対面で化粧品を販売するときには、特に有効そうですね。確かに、対面販売では非常に有効なツールになると思います。営業勧誘を行う前に塗っておいてもらって、勧誘が終わったころにもう一度効果を確認してもらえば、効果を実感していただけるのではないかと思います。
――処方をアレンジすることも可能ですか?処方をアレンジして、さらなる差別化を図ることも可能です。
当社の研究者は、こうした差別化できる高付加価値化粧品の開発に、日々取り組んでいます。ご紹介した処方を開発した研究者も、もうすでに、次の新たな研究にとりかかっています。
常に、最新の技術を使った、魅力ある製品の開発を提案できるようにしています。
■実正https://www.misho.co.jp/