2023.11.08

【AIで顧客満足度は上がるのか?】顧客対応をリードするインゲージ和田CEOに聞く


「ChatGPT」など生成AIの登場で、AI技術はグッと身近なものとなった。EC業界においても顧客対応領域でのAI活用が進むとみられているものの、まだチラホラ見かける程度だ。今後、AIが顧客対応領域に浸透していくことで、ユーザーの満足度は上がるのだろうか?5000社以上が導入する顧客対応クラウド「Re:lation(リレーション)」を提供し、顧客対応のDXをリードするインゲージの和田哲也CEOに顧客対応におけるAI活用の現状や進化の展望について聞いた。



――国内における顧客対応のAI活用は進んでいる?

顧客対応のAI活用は米国に比べると3~5年遅れていると思います。AIを採用した顧客対応ツールは増えていますが、AIと言いながらもキーワードに合わせて用意した回答を提示するようなツールがまだまだ多いです。

例えばAIを採用しているという問い合わせ対応のチャットであっても、「返品」と入力すると単に「返品」と言う言葉を含む回答がずらずらと出るだけだったりします。質問を理解して適切な回答を出すのではなく、単にその言葉を含む一覧を表示するに過ぎないわけです。そのため一方で、「返したい」と書くと「返品」に関する情報が出てこなかったりします。

AIを活用しているから便利だと思って利用してみても、逆にストレスがたまることの方が多いというのが現状かもしれません。

――米国ではどこまで顧客対応のAI活用が進んでいる?

返品について自然文で質問するだけで、過去の購買情報を確認し、「先日、お買い上げのこちらの返品ですか?」と尋ねてくるようなシステムが出てきています。

普通に会話しているように回答してきますし、自分たちで調べることのできる情報は調べて話を進めてくれます。人と話しているような感覚で対応し、瞬時に情報を確認してフィードバックしてくれるので、場合によっては人以上の顧客対応を実現しています。

ウェブサイトの問い合わせフォームだけでなく、チャットでも、メッセンジャーでも電話でも対応してくれる点にも差があります。電話の場合は音声で自然な会話のような形で返答してくれたりします。


▲米国では生成AIの登場で顧客対応のAI活用が急速に進んでいる

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