企業が負担やリスクなくAI活用できるのが理想
――企業のAI導入を妨げているものは?大企業は新しいソリューションを使うことに躊躇してしまうことがあると思います。新しいものは未知のものですので、お客さまにプラスの価値を提供できればいいですが、不慣れなためにお客さまに不利益を生じさせてしまうようなことがあるといけないという考えがあります。大きな企業になればなるほど慎重になるのは仕方ないのないことだと思います。
中小企業は新しいテクノロジーに追いついていくことが難しいケースや導入するためのコストがネックになることもあります。
当社はこうした企業の心理を理解し、AIなど新しい技術を「ノーハッスル(無理なく)」で利用できることが重要だと考えています。
例えば「AIレコメンド機能」を使うときに特別な操作は要りません。日々の問い合わせ対応業務をしていただくだけで、AIエンジンが問い合わせ対応業務を勝手に学習していきます。早ければ2〜3時間で学習の第1弾は終わります。
利用企業様がAIについて学ぶ必要はありません。裏側でAIが動いていて、使いたければ使うことができるようにしています。
AIは「有能な相棒」だと思います。有能な相棒であるAIの領域を広げることで利用企業さまの業務に貢献したいと当社は考えています。
――AI導入のリスクは?例えば、AIは間違ったことでも言い切ってしまいます。文章生成AIを利用してみて、そのことを感じた方も多かったかもしれません。
そのため、AIが人のフィルターなしに、直接顧客対応すると大きな行き違いが発生する可能性があります。1つのミスが大きな問題を起こすこともあり得ます。AIは有能ではあってもあくまでも相棒でしかありません。相棒のアシストを得て最終どうするのかを決めるのが人の大切な仕事になります。
▲AI活用のリスクも押さえておく必要があるほかのリスクとしては外部のAIエンジンを活用する際に、自社の情報や顧客情報がそのAIの学習データに使われてしまうかもしれないという危険性もあります。これはある意味、お客様のデータがAIに漏れてしまうことになります。
当社は「要約機能」で生成AIエンジンと連携していますが、お客さまの情報が漏れないようにカバーすべきところはカバーしています。そのためお客様の情報が外部AIエンジンの学習に使われることはありません。
AIを自分で使いこなせる人はどんどん活用していけばいいと思いますが、そうではない大半の企業は、AIを安全かつ効果的に活用できるサービスを選ぶことが得策だと考えます。
――AIで効率化して空いた時間を生かし、人が顧客対応で取り組むべきことは?やはりデリケートな部分は人がやるべきだと思います。高額な商品や、人体や健康に影響が出るような商品、慎重になるべき問い合わせなどは、人が対応した方がお客さまの納得感も高まるでしょうし、信頼関係を築きやすいと思います。
▲人が対応することで信頼関係を築くことができるAIだと答えをすぐ出そうとしてしまいますが、人であれば相手の感情をくみ取り、もう少し詳しく聞いてから回答しようと判断することもできます。
対話を深め、きめ細かいデリケートな対応ができるのが、人の強みだと思います。